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荒唐無稽ビビッドハイスクール!  作者: SAI-X
第六話『夏といえば』
32/88

#31

 ――そんなこんなで俺達は海水浴へ行くことになった。

 無論、気分は上々だ。場所は和歌山の辺りで、なんでもそこはマンボウで有名らしい。

 もちろん車に乗っていくのだが、残念ながら父さんだけ仕事で行けないのだ。もちろんほかの家族は車の運転なんちできません。じゃあ、誰がするのか? それなら今に分かる――。


「ヤッホー! みんな、久しぶりねぇ。元気してた?」

「こっちこそ。しずか姉さん!」


 彼女は親戚の姉さんだ。名前は守山しずかという。

 守山というのは、母さんの旧姓だ。母さんとは年が離れた姉妹に当たる関係らしいが、その他はあまり分からない。また今度聞くとしようかね。


「あたしならバリバリ元気だよ!」

「私も元気ハツラツよ〜」

「そっか。あれ、カツヒサさんは?」

「ゴメンね〜。今日お父さんだけ仕事なの」


 なぜ父さんがいないのか、その理由を母さんが簡単にしずか姉さんへと説明してくれた。

 事情を聞いた姉さんは、快く車に乗せてくれた。ディープブルーの車体がカッコいい、

 五人乗りの標準的な自動車だ。シートベルトをしっかりしめてと言われたので、言われたままにきっちりとしめた。これで安心! と、思いたかったが――。


「うおおおおっ! なんか燃えてきたぁぁぁぁぁあああ!! マッハで振り切るわよー!!」

「げっ、姉さんがヒートアップした!」

「うそ、お姉ちゃん!?」

「あらあら、すご〜い。ジェットコースターみたいねぇ」


 戦慄を覚えるほどの超スピード、半端ないドライビングテクニック。

 青い閃光が高速道路を駆け抜ける。違う世界に来たんじゃねえか、と、

 一瞬だけ我が目を疑ったくらいすげえ光景だった。お陰で目が回る、回る、回る、回る、回って回って――。そうしているうちに、サービスエリアに辿り着いた。中くらいの規模で、休憩にはもってこいの場所だった。


「ふぅー、ちょっと飛ばしすぎちゃった。みんな、休憩してく?」

「す、する。ちゅーか、させてくり……」

「ほげ〜……」

「やだ……、みんな踊ってるわ〜」

「それじゃあ、休憩に決まりね。みんな降りましょ!」


 降りて速攻トイレに駆け込む。もちろん男子トイレだ、野郎はおれ一人。

 野郎ひとりに対して女が三人。――ん? これってハーレムじゃね? きっとそうだ。

 周りには大中小ときれいに揃った女の人が三人。男がその中にひとりだけ放り込まれた。あとは分かるね? ああ、なんて幸せなのだろう。

 そうしてトイレを出て、女性陣を待ってみるがなかなか出てこない。五分待っても誰も出てこない。もしや混んでいるのか? これは困ったなあ――。


「ごめん、お待たせーっ」

「遅いよ〜。もしかして混んでたの?」

「うん、そうなの。なかなか入れなかったのよねー」


 そう不満げにしずか姉さんへ問いかけると、彼女の口から出た答えはYESだった。


「そっか。なあルミ、おもらしとかはしてないよな?」

「バカ! アニキに言われなくてもしないわよ! あたしだってもう大人だもん。するわけないじゃん、もう……」


 ちょっとルミをからかってみた。けど、やらかした感が否めん。あとで謝るべきだろうか……?

 そのあと昼食をどうするかについて話し合ったが、家族間会議の結果、海の家で食べることになった。そりゃ、そうだ。どうせ食べるなら海の家で食べたいよなぁ。さて、どんなメニューがあるんだろうか。そもそも海の家なんてあるんだろうか。ぐぬぬ、ワクワクが百倍になってて止まらねぇ。焼きそば食べたい!

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