#28
「それっ!」
ある日の放課後。寄り道先で見かけた、カン・ビン・ペットボトル用の金網でできたゴミ箱。そこへフリースローを決める俺。かーっこいいぃ。
「んっんー……」
「どうしたんだい? ゴミ箱のぞき込んだりして」
「なあ、レン。さっきガシャーン! みたいな音しなかった?」
「したした」
いつも思う。割れてないかな。破片飛び散ってないかな、とか。ついつい心配しちゃうんだよなあ。
「いつも思うんだけど、アレってビンが割れたSEとかじゃないよなぁ……」
「バカだな〜。あのぐらいで割れてたらあとで回収するとき困るでしょ」
「そうか。げに恐ろしきは割れた時に鳴るヒトの不安を掻き立てる音ではなく、想像力が豊かなヒトということだな……」
ネガティブスイッチ、オン! しかしガチで暗い気持ちになったわけではない、あくまで冗談である。ということだから、レンをちょっとだけ困らせてやろう。いたずらに理由はない。そこにあるのは、からかってやろうということだけである。
「ま、マサキ?」
「つい連想するんだよ、あの音を聞くとねェ……ブフフフ」
「うわぁ……」
あ、ドン引きされてる。やりすぎたか――? ならば、仕方がない。作戦変更!
「っていうのは、うっそー♪」
「なんじゃい、嘘だったんかーい! 心配して損したわっ!」
「心配ィ? どう見てもひいとったやないかーい!」
こいつめ、鋭いツッコミ攻撃を食らえ。うりゃっ、これでもか。
さぁて次回はッ!
どうも、朝霧マナブです。見た目で損する人、多いですよね。
実は俺もそうなんですよ。見た目が怖いから、って理由でみんなから避けられがちなんです。
どうすれば、怖く思われないんだろーなー……。
次回、『夏といえば』 え、今夏なのか? お楽しみに!