#27
「誰か、この問題を解けるヤツはいないか〜!?」
「……あの、センセー」
「おう、刃野。答え分かったか?」
「そんな根拠のないこと聞かれても、みんな解答に困ると思うんですけど」
あちゃー、まずいことしたわ。こりゃ言いすぎたな。俺の発言が原因で、周りの空気がエターナルフォースブリザード。相手は死ぬ。死ぬまでいってないけど。
「……さ、さて。他に意見のある人はいないか? じゃあ、こうしよう。オレ僕私なら、答えられますって思ってる人ー!」
長浜先生が必死すぎて笑える。いや、そういう自分は人のこと言えないクチだけどね……。ただ、このノリのよさとテンションの高さはもっと評価されるべき。ハイテンションなキャラは好きだ。俺だったら余裕で腹筋崩壊、おなかよじれます。
「……えっ、いないの?」
〜休み時間んんん〜
「シンスケ先生面白い人だと思うんだけど、評判イマイチだよなー。なんでだろ?」
「そりゃあ、アレだよ。みんな暑苦しい野郎より、華を求めてるんじゃなイカ?」
「……美形のナルシストとかか?」
「バカだなー」
リョウってちょっと考えがズレてるな。と、この時俺は思った。
「みんなが求めてるのは、美人の女教師だ。メガネにスーツ、ミニスカにナマ足、極めつけはニーソと絶対領域だぜ? 好きにならないワケねーじゃん。シンスケ先生? あの人は体育専門にでもなってろってんだ」
「あー……っと。マサキ? あんまり悪口言わない方がいいんじゃねえか……?」
リョウが俺の席のうしろを指差している。なんだ? 誰か来たのか?
「刃野ォ! あとで職員室へ来い。今日はみんなが先に帰るなか、お前だけ生徒指導の刑だー!」
「ひええ〜〜! ごめんなさい! もう悪口言いませんっ!!」
「あーあ。だから言ったのに……」
ああ、なんてバカなことをしてしまったんだろう。『人の悪口を言うヤツは死ね』とはこのことか。夕方5時まで説教を食らい、家に着く頃には6時を過ぎていましたとさ。ちゃんちゃん。