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荒唐無稽ビビッドハイスクール!  作者: SAI-X
第五話『時計じかけのみかん』
25/88

#24

「ただいまー」

「おかえり、アニキ。遅かったじゃん?」

「だから……お兄ちゃんと呼びなさい! いつも言ってるだろっ」

「お父さんもう帰ってるよ」


ルミは相変わらず、俺をお兄ちゃんって呼んでくれないのな……


 しょんぼりしつつも玄関へ上がり、荷物を置いて着替える。いや待て、アレだ。先に手を洗うべきだよな……?

 洗面所で手洗いうがいをすませ、さっそくリビングでくつろぎ、「あー、疲れた!」


「おう、マサキ。お前にしちゃずいぶん遅かったな。どこで道草食ってたんだ?」

「おいら草なんか食べないよ。帰りに友達のリョウ君と、ちょっとア○メイト寄ってたんだ」


 言い忘れていたけど、我が家のリビングは広めで、こたつ置くことが前提のコーディネートをしている。

 だって冬は寒いだろ、こたついるじゃん……。ストーブもあるけど、あれは灯油入れるタイプだからなあ。クサくて仕方ない。


「おみやげあるか?」

「そう言うだろうと思った」

「なあ、出してくれよ。買ってきたんだろ? 萌えキャラちゃんのグッズを。さあ、わしに見せてくれ!」

「残念、父さんには買ってません。俺へのおみやげは買ったけどね」


 父さんがぐぬぬ、と、ハンカチを噛んだ。


「うぅ……こうやって、親不孝者が出来上がっていくんだな。わしゃ悲しいぞ、マサキぃ!」

「母さーん、今日の晩ごはんはなーにー!?」

「無視すなぁ!」


 父さんを振り切り、台所で母さんを手伝う。こたつで父さんが念仏のような、呪いの言葉のような何かを延々つぶやいていたが気にしない。


「あらあら、お父さんったらそんなことを。この前メイド喫茶行ってたのにね〜」

「えっ、そうなの? 父さんメイド喫茶行ったの?」

「そうよ〜。それも普通のじゃなくて、つ……えっと、何だったかな。つ、ツンドラ……」

「ツンデレ?」

「そう、それよ! 確かそのツン……どらな感じのメイド喫茶だったそうよ」

「もー、母さんったら、そういうトコ可愛いんだからぁ」

「えへへ〜♪」


 我が家のママンは天然ぎみの傾向がある。だがそれがいい。


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