#17
第四話『最強最悪の敵』
遊ぶ。遊ぶったら、遊ぶ。
今日もいつも通りに帰宅した俺は、勉強をカカッとすませ早速ゲームを遊ぶ。
これ、機種こそダブルスクリーンだけども、グラはきれいだし音楽も神曲揃いだしで、
神ゲーのにおいしかしないのよ。俺が好きなシリーズの、待望の新作っちゅーのもあるね。
ぃやっぱり、任○堂のロールプレイングはハズレなしさね。
好きで良かった。これからも良ゲーをじゃんじゃん作っていただきたい。
……ん
レンからメールだな。どれどれ――
「『来週期末だぞ』、と。
…………えっ?! 期末だって!?」
『何だって、それは本当かい?』
ここは草加にまんまと騙される木場を演じてみせよう。
『レン、ウソツカナイ』
「……えーっ、先生そんなこと言ってたかぁ?」
俺はそんなの信じねえ!
――と言いたいところだが、冷静になれ、俺。
先生は確かに、期末があると言っていたかもしれない――
「ああっ! 思い出した……確かにそう言っていた」
期末試験――ゲームでいうなら、ラスボス。ではなく、
ラスボスより手強い中ボスだ。ああっ、恐ろしい。
「できる。容易に想像ができるぞ、勇者が期末試験という名の大ボスに苦戦する姿が……
そんな勇者を助けに現れる、もうひとりの勇者……作業用BGMッ!!」
ヤツにハンパな攻撃は通用しない。正攻法ではダメだ。
勉強して経験値をためないと。こういうときは、はぐれていてメタルなヤツがオススメなんだが……どっかにいないかなあ。
ー翌日ー
「えっ、え、エリカ! いや、エリカさーん!」
この際だ、勉強もよくできて可愛いあの子に力を借りよう。
あの子ならきっと助けてくれる!
「なにかしらー?」
「……頼む。俺に、俺に力を! 悪しき期末試験を討ち滅ぼす力をっ!!!」
必死だった。猫の手も借りたい気分だった。
ドン引きされても構うものか。俺は、エリカに救援を要請するっ!
「この通りだ!」
土下座も厭わん! テコでも動かん!
「お願いだ! 俺一人じゃどうにもならない!」
「……わかった! 引き受けましょう」
「……ぃやったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!11111」
なんという僥倖。生き恥を晒した甲斐があったというもの!
こうもすんなりOKが出るとは、予想だにしなかったぞ。ガンダムッ!
あれ? なんか俺の台詞じゃない気がする。なんでだろう。
「あ、あ、あ、ああのエリカさんよければ今度の土日いいいいい一緒にべべべべ、べ、勉強会しませんか? お、お茶とおおおおおおおかしも出しますよよよよよよよよよよよよ」
「ごめん、友達と遊びに行く約束してるの」
いかん。興奮のあまり脳内のハードディスクがブッこわれテしまッたヨ ダ
かゆ
うま
「こらーっ!」
なんてやってたら本の角で思い切りしばかれた。
■□
「教科書とノート貸してあげるけど、その代わり二度と校内で悪ふざけしないでください! わかった?」
「も、もうしません……」
そうだ……エリカさん、超がつくほどマジメな子だった。