第四話 微睡み
さて、どれほどトンネルを進んだのだろうか。
そろそろ出口が見えてもおかしくないはず、なのにまだトンネルが続く。
ルネ「森林まだかな。」
進んでいくと壁に穴が開いていることに気づいた。
ルネ「なんだろう」
穴があったらなにかしたくなる性分のルネ。
指を入れてみた。
ルネ「痛っ。」
気がついたときには指の第一関節がちょん切られていた。
ルネ「え。」
突然の出来事にびっくりして処理が仕切れなかった。
怖いと思い、引き返そうとしたが、すでに道は閉ざされていた。
現世では息を引き取ったことになってしまっていたからだ。
ルネ「まぁ、思い残すことはないし、いいや。」
気がつくと憂ヰが現実化していた。
憂ヰ「や」
ルネ「憂ヰ?!なんでいるの?!」
憂ヰ「気がついたらここにいたんだよね」
ルネ「え?」
ルネは気が動転した。
想像にしかいなかったはずのキャラの「憂ヰ」が目の前にいたのだ。
憂ヰ「…とりあえず、ここからどうするつもり?」
ルネ「えーっと」
憂ヰ「行く宛はあるの?」
ルネ「ない」
憂ヰ「過ごす場所は?」
ルネ「ない」
憂ヰ「生活に必要なものは?」
ルネ「ない」
憂ヰ「なにもないじゃない」
ルネ「そうなんだよねー」
憂ヰ「...一緒に旅しようよ」
ルネ「どこへ?」
憂ヰ「...異世界」
そう憂ヰが放った瞬間、ワープホールが目の前に現れた。
ルネ「すごーい!異世界?」
憂ヰ「そう、異世界」
ルネ「どんなところ?」
憂ヰ「そうだなぁ、君が思うすべてが思い通りに。」
ルネ「すべてが?」
憂ヰ「すべてが。」
憂ヰ「...行く?」
ルネ「もちろん!」
ルネは二つ返事で憂ヰについていくことにした。




