第十四話 橋を戻るな
ーーー 一条戻り橋という伝説がある。平安時代の陰陽師「安倍晴明」が鬼を封印したとされている橋のこと。実際、この橋は死んだ人を都の外=洛外へ送り出す葬送の橋として使われていたそうな。つまり、一条戻橋はあの世とこの世の境界だったと。そのことから夜中に橋を渡ると鬼に襲われるという伝説も残っているーーー
ルネ「京都って面白い場所なんでしょ!京都に行きたい!」
憂ヰ「また急にどうしたの?」
ルネ「一部では魔界都市とか言われてるし?」
憂ヰ「魔界都市ねえ」
ルネ「歴史都市だし行きたいな~って」
憂ヰ「確かに歴史都市ではあるわね。」
ルネ「歴史も都市伝説も楽しめるんだから一石二鳥じゃん!景色も綺麗だし。」
憂ヰ「たしかに、景色は良いね。」
ルネ「ってことでまだ時間あるし、京都行こうよ」
程なくして...
ルネ「京都ついた~!憂ヰのお陰であっという間だったね~~」
憂ヰ「そうだね。ルネの為だもの」
憂ヰは数日後にルネと京都に向かった。
現実世界での移動時間を偽の形で作り出し、少しだけ時間を早めて、ルネにとって違和感のないように移動した。
ルネ「早速行きたいとこあるんだ〜」
憂ヰ「へえ、どこなの?」
ルネ「とりあえず、御所(京都御所の略称)の方面に向かうよ!」
憂ヰ「なるほどね。」
いつものやり取りを繰り広げた後、京都御所のある鞍馬口へに向かった。
ルネ「ここが鞍馬口!」
憂ヰ「ルネが楽しそうでなによりだわ」
ルネ「さて、目的地向かお~っと」
憂ヰ「どこに行くの?」
ルネ「あれっ?言ってなかったっけ?」
憂ヰ「聞いてない。」
ルネ「『一条戻り橋』に行くの。」
憂ヰ「そこには何かあるの?聞いたことがないけれど。」
ルネ「夜中にその橋をわたると、こわ〜い鬼に襲われるっていう都市伝説があるの!」
憂ヰ「へえ」
ルネ「よーし行くよ~!!」
憂ヰ「相変わらずね」
ルネ「当たり前でしょ?」
そんなやり取りをしながら、ルネの言う「一条戻り橋」へ向かった。
ルネ「到着!」
一条戻り橋。
その昔、安倍晴明によってその橋に鬼が封印された。
その後、地元では、「あの橋はあの世とこの世の境目」と諸説広がり、夜中に渡ると鬼に取り憑かれると広まったらしい。
ルネ「なーんだ、ただの橋じゃん。」
憂ヰ「人気ないのかもね。」
ルネ「そっかぁ~」
ルネは残念そうに言った。
もっと大々的に観光地化されていると思ったのだろう。
そもそも葬送のための橋だから、そこまで人気がないのも納得だ。
憂ヰ「で、この後は?」
ルネ「うーん...決めてない!」
憂ヰ「無計画ねえ、まあそれがルネなのだけれど。」
ルネ「え~~だって、目的地はここだけだったもん...」
憂ヰ「それなら他になにかあるか調べてみない?」
ルネ「確かにー!京都なら他になにかあるかもしれないし!」
ルネはおもむろにスマホを取り出して、京都の都市伝説スポットを調べた。
憂ヰ「(まぁ、この子はこういうとこあるけど、どことなくこの時間が落ち着くのよね。)」
憂ヰは、黄昏れていた。
ふと、気がついたら夜中になっていた。
ルネ「あれ、夜になっちゃった。」
憂ヰ「そうね」
ルネ「わたりたーい」
憂ヰ「ルネやめなって」
ルネ「えー」
憂ヰ「本当に帰ってこれなくなったら、私どうしたらいいのよ」
ルネ「でも...」
憂ヰ「そんなに渡りたいの?」
ルネ「...(コクッ」
憂ヰ「仕方ないなぁ...」
ルネ「やったぁ!!!!」
憂ヰ「気を付けてね。」
ルネ「もっちろん♪」
そうして、ルネは一条戻り橋を渡っていった。
すると、何事もなく帰ってきたかと思った次の瞬間、ルネの後ろに人影が見えた。
憂ヰ「あっ。」
ルネ「なに~?」
憂ヰ「後ろ」
ルネ「え?」
その時にはもう遅かった。
ルネはその人影に飲み込まれた。
その人影はどうやら鬼だったようだ。
鬼は飲み込んだ後、何をするのか。
不安だった。
憂ヰ「知っていたのかな?」
素朴に疑問になった。
ルネ「キャアアアアアア」
ルネの悲鳴が聞こえた。
鬼になにかされているらしい。
憂ヰ「あー...」
最悪の事態が憂ヰには、過った。
ルネ「あはははは!鬼さん面白いね!」
その声の後、ルネは暫く戻って来なかった。




