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憂戚逃避行 ~憂鬱な世界を旅する少女たち~  作者: 纐纈翠姫(あやめみずき)
第二章 誰もいなかった場所

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第十一話 ひとりかくれんぼ

憂ヰ「やぁ」

ルネ「わぁー?!」

憂ヰ「なに驚いてるのよ。」

ルネ「急に出てきたらそりゃびっくりするでしょうよ。」

憂ヰ「まぁそうだね。」

ルネ「何納得してるの〜」

憂ヰ「ごめんてば」

いつもの何気ないやり取りだ。


ルネ「そういえばさ、『ひとりかくれんぼ』って知ってる?」

憂ヰ「『ひとりかくれんぼ』?」

ルネ「そう!『ひとりかくれんぼ』」

憂ヰ「なにそれ。」


ーーー2007年頃に遡る。2chのオカルト超常現象版上で紹介された除霊術である。


まず、手足があるぬいぐるみを用意し、それに名前をつける。

そして、詰め物をすべて出し、代わりに米と自分の爪でぬいぐるみを満たし、赤い糸で縫い合わせる。最後に余った糸は、ぬいぐるみに巻き付けて結ぶ。

隠れ場所をあらかじめ決めておき、そこにコップ一杯程度の塩水を用意する。(塩は天然塩がいい)

午前三時行動を開始する。

ぬいぐるみに対し「最初の鬼は〇〇(自分の名前)だから」と3回言い、浴室に行き、水を張った風呂桶にぬいぐるみを入れる。

家中の照明をすべて消し、テレビだけ付け(砂嵐の画面)、目を瞑って10秒数える。

刃物を持って、風呂場に行き、「✕✕(ぬいぐるみの名前)見つけた」といって刺す。

そして、「次は ✕✕ が鬼だから」or「次は ✕✕ が鬼」と言い、すぐに逃げ、最初に決めた隠れ場所に隠れる。(諸説あり)

終わらせるには、塩水を少し口に含んでから隠れ場所を出て、ぬいぐるみを探して、コップの残りの塩水、口に含んだ塩水の順にかけ、「私の勝ち」と3回宣言しなければならない。

なお、必ずこの手順によって、1~2時間、または2時間以内に終了させなければならない。

また、ひとりかくれんぼに使用したぬいぐるみは、最終的に燃える方法で処理する必要があるとされている。 ーーー


憂ヰ「ふーん。それで?」

ルネ「面白そうじゃない?」

キラキラした目でルネが憂ヰを見る

憂ヰ「...え?」

ルネ「面白そうじゃん!」

憂ヰ「うーん...」

ルネ「魅力的だと思わない?」

ルネが憂ヰに詰め寄る

憂ヰ「えーっとね...」

ルネ「なんで嫌がるのよ!」

憂ヰ「不気味じゃん」

ルネ「不気味?」

憂ヰ「不気味。」

ルネ「そっか~」

憂ヰは冷ややかな目でルネを見ていた。

憂ヰ「ルネったら全く....」

ルネ「なーにー?憂ヰさん?」

憂ヰ「いーや?なーんにも?」


憂ヰは悟られたくなかった。

ルネにはユートピアとだけ思っていてほしかったから。


しばらくして...


憂ヰ「こないだ聞いた都市伝説気になるなぁ」

ふと、この間聞いた『ひとりかくれんぼ』が気になった。

憂ヰ「やってみようかな。」

この世界は憂ヰの作った世界。修復なんざお手の物。

憂ヰ「えーっと?ぬいぐるみと、塩水、お米、自分の爪、赤い糸、縫い針か。」

憂ヰはおもむろに用意する。

憂ヰ「あとはぬいぐるみの中を出してお米と自分の爪を入れてっと...」

憂ヰは粛々と準備を進めていく。

憂ヰ「さて、午前三時になったら電気をすべて消してテレビの砂嵐をつける。」

憂ヰはいよいよ『ひとりかくれんぼ」を決行した。

憂ヰ「ミライ見つけた。」

そうして、憂ヰは果物ナイフでぬいぐるみを刺した。

憂ヰはその時間はなぜか楽しくなってしまい、かくれんぼをするではなく、刺す方ばかりに夢中になってしまった。

気づけば2時間を超えていた。

2時間超え....前記の通り、「2時間以内に収めなければならない。」

この時点でそもそも決まりを守れていなかった。

憂ヰ「ふふ。楽しかった。」

憂ヰはそのまましたものを放置してしまった。

終わりの儀式もせず......


その数時間後....

「コンコンコン。」

玄関をノックする音が聞こえた。

午前5時の話だ。

憂ヰはこんな時間に訪問者なんぞうちに来ない。

そう思って、ノックを無視した。

次第にノックの音が大きくなる。

「ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!」

憂ヰは怖くなった。

憂ヰ「嘘...でしょ....?」

「ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!」

次第にノックの音は量を増し、激しくなっていく。

憂ヰ「な、何...」

その後ピッキングをされたのか、鍵が開いた。

このままではまずいと思った憂ヰ。

ひとりかくれんぼのときに決めた隠れ場所に逃げる。

それは押し入れの中だった。

「キィィ...」

ピッキングされた玄関は、扉が建付けの古い錆びた蝶番の音を鳴らしながら開いた。

「ドンドン」

誰かが入ってくる足音だ。怖い。

「シャッ」

襖が開いた。

確実に憂ヰの方へと近づいてくる。

憂ヰ「え、私....」

次の瞬間、押し入れが開き、黒い影がこういった。

??「憂ヰ見つけた。」

そして、果物ナイフで腹部を刺された。

ここまでの時間があまりにも早すぎて憂ヰは状況が飲み込めなかった。

憂ヰはその場に倒れた。

憂ヰ「まぁ、この世界の創造神は私だし、自分で自分を蘇生しなきゃ。」

そう呟きながら、自分で蘇生した。

憂ヰ「やっぱり不気味。」

ルネ「どうしたの?」

普段のトーンでルネが話しかけてくる。

憂ヰ「都市伝説思い出しただけだよ。」

口が裂けても経験したなどとは言えなかった。

ルネ「ふーん。思い出したにしては、顔真っ青だけど?」

憂ヰ「全然気づかなかった」

ルネ「珍しいね〜」

憂ヰはいつものやり取りに落ち着かせた。

憂ヰ「あぶな....」

そうして長い一日が終わった。


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