第十話 臨時速報
何気ない朝。
ブラウン管のテレビがそこにはあった。
突然電源がつき、ノイズ混じりに番組が放映されていた。
ゴミ処理場が映っていた。
『こんばんは、NNN臨時速報から
今日の犠牲者をお伝えします。
今日歩きながら携帯を見ていた人
生活がさみしくて和室にうさぎを飼った人
万歩計で、1万歩歩くのを達成した人
ずっと気になっていたことを
本人に直接伝えた人
ひとりのかくれんぼを「行ってしまった人」
今、青ざめているあなた
明日の犠牲者は以上の方々です。
御冥福をお祈りいたします。
おやすみなさい。 』
ルネ「...(ガバッ」
憂ヰ「そんなに青ざめてどうしたの?」
ルネ「私顔青ざめてる?」
憂ヰ「ええ、それはもう海のように真っ青。」
ルネ「やばいやばい、犠牲者になっちゃう...」
憂ヰ「いや、どうしたのよ。」
ルネ「今、青ざめている人が犠牲者になるって....」
憂ヰ「どういうこと?」
ルネ「テレビからそう聞こえたの。」
憂ヰ「テレビ?この世界にないけど...?」
ルネ「じゃあ、夢?」
憂ヰ「うん。そりゃもうぐーーーーーーーーっすり寝てたよ。」
ルネ「言い方。」
憂ヰ「じゃあ、幸せそうに?」
ルネ「犠牲者の夢見ておきながら???」
憂ヰ「だって、わからないじゃない。」
ルネ「まぁね〜…」
ルネはぐうの音が出なかった。
ーーーーその昔、NNN臨時速報という深夜に流れると噂された番組があった。
今日の犠牲者のこと。明日に犠牲になる人のこと。淡々と読み上げられる。ある意味不気味だ。
それを5分間程度の番組で流すという。
ルネ「(聞いたことはあったけど...夢でなんて気味が悪い...)」
憂ヰ「気難しい顔してますね?」
ルネ「は、はい?!」
憂ヰ「今日なんだかおかしいよ、ルネ」
ルネ「そ、そ、そんな…」
憂ヰ「うん、大分おかしいよ。」
ルネ「ひええええ」
思わずルネは悲鳴をあげてしまった。
憂ヰ「また都市伝説?」
ルネ「(ギクッ)」
憂ヰ「そうやって、すーーぐ都市伝説のこと考えるんだから...
早死しても知らないよ。」
ルネ「すでに死んでるもん」
憂ヰ「あ、そっか。」
今度は憂ヰもぐうの音が出ないところを突かれた。
ルネ「にしてもさ、都市伝説って面白いよね~」
憂ヰ「そんなわけ....不気味じゃないの?」
ルネ「その不気味さがいいのよ」
憂ヰ「そうなんだ?」
ルネはいつもこの調子だ。
憂ヰ「相変わらずね...」
憂ヰはそうやって独り言を吐いた。
憂ヰ「そういえば、犠牲者とかルネ言ってたわね。
少し調べてみますか。」
そうつぶやきながら、都市伝説のデータベースサイトを調べてみる。
憂ヰ「ふーん。昔あったと噂されていて、最後に宇宙人のような人が映る...ですか。」
「不気味...」
それを鳥肌が立った。
不気味過ぎたからだろう。
憂ヰ「まったく...ルネはこんなことばかり調べてる暇があったら、さっさと勉強しておけば困らなかったかもしれないのに....」
憂ヰは生前のルネが成績がよろしくなかったことを知っていた。
何処かで、ルネが話していたのだろう。
都市伝説の話を聞くたびにそう少し思ってしまうのであった。
参考文献「終焉ノ栞/スズム」




