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【配信者転生】登録者=強さの世界で底辺実況者が最強に!  作者: 山中海
第一章【底辺配信者、異世界配信スタート】
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第6話 「バズは結局かおですか?」

エルフの少女――ミレリアに肩を支えられながら、俺は森を抜けた。


 


 視界が開けた先にあったのは、まるで絵画のような風景だった。


 澄んだ空気。クリスタルのように輝く泉。木々に溶け込むように造られた住居。

 まさに“異世界のファンタジー村”そのもの――そして、その中心に立っていたのは。


 


 「おかえりなさい、ミレリア。無事でよかった……」


 


 出迎えたのは、銀髪で長身の男。

 まるでゲームのパッケージから抜け出したような、顔面偏差値MAXのエルフだった。


 


 《コメント:誰だよこの王子/かっけえ/映画出てる?》

 《コメント:はい、推し変です/ヒロインの兄?/イケメンで限界》

 《チャンネル登録者+101》


 


 「おいおいおいおい!俺がオーガ倒した時より好反応じゃねぇかよ!」


 


 《通知:注目対象:ライネル=フェイン(エルフ族)》

 《ステータス変動:対象外につき無効》


 


 「無効……?つまり、このスキルは“俺自身が注目された時”しか効かないってことか?」


 


 案内されるまま村に入ると、騒ぎはさらに加速した。

 すれ違う村人全員が美男美女。整った顔立ちに、華奢な体躯。

 まるで雑誌の中を歩いてるような錯覚すら覚えた。


 


 《コメント:美人多すぎ/目の保養/ヒロイン誰にする?》

 《コメント:ヒロトくん背景扱いで草/がんばれ主人公!》


 


 俺の心はもうズタボロだった。


 


 「いや、違うだろ?俺が!オーガ倒して!助けて!村まで連れてきたんだぞ!?」


 


 《コメント:でも顔は村長に軍配/癒し枠として残します》


 


 「うるせぇよ……!」


 


 その後、ミレリアに案内され、村の中心部にある休憩所へ向かった。

 食事と寝床も用意され、体はかなり回復してきた。けど――


 


 「この村に来て、登録者はかなり増えた……なのに、全然強くなった感覚がねぇ。

 オーガ倒した時は、もっと力が湧いてきたのに……」


 


 登録者は増えた。コメントも盛り上がってる。

 だけど、それは全部“俺以外”が見られた結果だった。


 この世界では、自分自身が注目されなきゃ意味がない。


 


 《システムメモ:強さは“注目の熱量”に比例します。人気を得る者が、最も強くなります》


 


 「……ちくしょう、顔かよ……!」


 


 そのとき、休憩所の戸がノックされた。


 


 「ヒロト様、よろしければ――明日、村で行われる“感謝の宴”に参加していただけませんか?」


 


 ミレリアが、柔らかく微笑みながら言った。


 


 「宴……?」


 


 「貴方のおかげで、村の子供たちも安心して森に戻れます。

 皆、直接お礼がしたいと……」


 


 ――宴。

 つまり、“舞台”ってことか。


 


 「……よし、行く。行かせてもらうよ」


 


 やってやる。バズるために。

 今度こそ――“主役”になってやる。



美男美女はバズりやすい。

なんてずるいんだ。


しかしヒロトも普通の世界では割とイケメンな部類です。それが背景になるくらいのエルフ恐ろしいですね!



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