表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【配信者転生】登録者=強さの世界で底辺実況者が最強に!  作者: 山中海
第一章【底辺配信者、異世界配信スタート】
3/32

第3話「オーガってマジっすか?」


ゴブリンの死体を前に、俺は膝をついた。


 「……勝った。俺、マジで勝ったんか」


 いまだに手は震えてる。棒を持つ手も、脚もガクガクだ。


 なのに――体の奥から、じわじわと力が湧いてくる。


 


 《現在の登録者数:83》

 《ステータス:ザコ+2.5》

 《スキル《バズ・チャージ》:一時的に登録者数×0.1ぶんの攻撃力上昇(視聴者の“興奮値”で倍率変動)》

 《スキル《コメント伝達》:一定確率で視聴者コメントが届き、状況に影響を与える》


 


 「……これ、完全にゲームじゃねぇか」


 でも現実だ。

 俺は今、“見られることで強くなる”っていうバグみたいな人生を手に入れた。


 


 《コメント:さっきのバトル熱すぎw/正直もっと見たい/次まだ?》

 《コメント:なんで棒で勝てるのw/バズ・チャージ強すぎワロタ》


 


 ……やばい。

 なんか、めちゃくちゃワクワクしてきた。


 「っておいおい、命懸けだってのに何ワクワクしてんだ俺……」


 


 そのとき、視界の左上に小さなウィンドウがポンッと浮かび上がった。


 


 《クエスト発生》

 【タイトル:討伐依頼?はじめての村へようこそ】

 内容:森を抜け、近隣の村「ルアノ村」へ到達せよ。

 報酬:登録者数×1.2倍のボーナス


 


 「村……やっと人のいる場所か?」


 そうだ、ずっと一人でテンパってたけど、この世界には“人間社会”があるんだ。


 食い物も、寝床も、情報も、なにもねぇままじゃマズい。


 


 「行くしかねぇな。バズって、強くなって、生き残るために」


 立ち上がり、折れかけた木の棒を握り直す。


 その瞬間――


そのとき――森の奥から、悲鳴が響いた。


 


 「――きゃああああああああっ!!」


 


 俺はピタリと足を止めた。

 女の子の声。しかも、めっちゃ近い。かなりヤバいトーンだった。


 


 《コメント:ん?今の……/え、誰かいるの?/まさか……イベント発生!?》


 


 「まさか……ドラゴンとかじゃねぇよな?」


 冗談のつもりで言った。だが、笑えなかった。


 地面が、揺れている。


 ――ズズン……ズズン……!


 


 「おいおいおい、ウソだろ……」


 


 《緊急通知:中型モンスター“オーガ”の接近を確認。

 村娘と思われる少女が襲撃されている模様》

 《クエスト更新:「少女を救出せよ!」報酬:登録者数×1.5倍+英雄補正スキル抽選》


 


 「……オーガ!?」


 


 助けるか? いやいや、オーガは無理だろ。にげるか?


 でも――


 


 《コメント:逃げんなよ!?/助けてやれって!/今のがバズチャンスだぞ!?》

 《コメント:ヒーローになれ、ヒロト》


 


 「……ったく。うるせーな、もう」


 




 俺は棒を握り直す。

 画面の向こうの“誰か”に背中を押されながら、森の奥へと走り出した。


 


 「バズるためなら、やってやるよ……! 配信者魂、見せてやる!!」


ここまで読んでいただきありがとうございます!

今回はヒロトが配信者として“バズる意味”を掴むターニングポイントでした。

次回、第4話ではついにヒロイン(っぽい人)が登場!

オーガの襲撃、そして“英雄”としての第一歩が始まります。


感想・評価などいただけたら、超励みになります!引き続きよろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ