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シュシュ

鉢合わせた3人…数秒時が止まったかと思うほどの空気が流れた。


北条さんが焦った様に荷物を持ち

「ご、ごめんなさい!彼女さん居るなんて知らなくて…私そろそろ帰るね!大沢君今日はありがとね!お邪魔しました!」


「ちょ、ちょっと北条さん!」

北条さんは誤解している…みーちゃんが彼女?は?


追いかけようとすると、みーちゃんが服の袖を離さない。

「ちょっとみーちゃん!」


「…だ」

「え!?」

「やだ!!」

「やだって、北条さん行っちゃう!離して!」


「嫌だ!離さない!誰!?北条さん!?知らない!!なんで!!」

そう言って、涙を流したみーちゃん

僕は追いかけるのを諦めてしまった。


「ただいま〜」


「あ、すみません。お邪魔しました。」


「あ、あらあら。気をつけてね」


ちょうど母さんも帰ってきた。

すぐに僕の部屋にやって来た

「ちょっとー琢己ー?すっごい美人さんが勢いよく出てったわよ!?」

「なーに!?あんたの彼女!?」

母さんは少し興奮気味になっていた。


そりゃそうだろう。この家にみーちゃん以外の女子が来るなんて前代未聞の事だ。


「あら。みーちゃんどうしたの??」


「おばさん、今日はもう帰るね…なんか体調悪いみたい。」


「これからみーちゃんの誕生日パーティーするつもりでいっぱい美味しいもの買って来たのにぃ」


「ごめんね。おばさんありがと」


みーちゃんは振り向く事も無く帰って行った。

あー最悪だ色々と…


「あんた。何したの?」

ちょっと怒り口調で聞いてくる

「いや、特に何したって訳じゃないんだけど…」


「何があったか知らないけど仲直りしなさいよ!」


「うん…」


結局みーちゃんが来る事はなかった。

そして、宅配便も来なかった。


翌日、母さんにおつかいを頼まれた僕は街に出かけた。


「はぁ…なんで、みーちゃんあんなに怒ってたのかな。誕生日忘れてたのバレたのかな?北条さんが居たからかな…もう分からん。」


ひと通りおつかいを済ませた僕は目についた雑貨屋に入った。


「みーちゃんに誕生日プレゼントあげて機嫌直してもらおう!」

何が良いか迷っていると店員さんが話しかけてきた

「何かお探しですか?」


「ちょっと誕生日プレゼントを…」


「彼女さんにですかー?」


「彼女って訳じゃないんですけど、姉みたいな人で…」


「そーなんですかー!じゃあこーゆうのとかどうですかー?彼女じゃないなら、ネックレスとか指輪とかはちょっと重いかもしれないし〜」


そう言ってシュシュと言う物を出してくれた。

確かにみーちゃんこうゆうの良く着けてるな。気に入ってくれるかな


「じゃあ、これください。」


「ありがとうございまーす!プレゼント用に包んでおきますね〜」


「あ、ありがとうございます。」


そして帰宅しおつかいした物を母さんに渡した


「ちょっとみーちゃん家行ってくるから」

「あんた、これ持ってお行き」

母さんは昨日買っていたケーキを持たせてくれた。

隣のみーちゃん家へ

ピンポーン


………「あれ?出かけたのかな?」

ピンポーン

………誰も居ないのか?

ドアを開けてみる

「あ、開いた。鍵掛けろよなぁ〜不用心な。」


「おーい、みーちゃん」

「みーちゃん居ないのー?」


すると奥からいつもみたいに明るいみーちゃんとは掛け離れた暗いみーちゃんが現れた。

一瞬幽霊かと思い驚いた


「うぉっ!」


「何?そんなとこで大きい声出されたら近所迷惑だから。入れば。」


冷たい。こんなみーちゃん見たこと無い。


「お邪魔します。」

かなり久しぶりにみーちゃん家に来たが昔と変わらなかった。

みーちゃんの部屋も特に変わった所は無い。


「で、何?」

「あの、これ誕生日プレゼント…」

「うん、ありがと。」

全然嬉しそーじゃ無いんだけど!


「あ、あのさ、昨日誕生日忘れててゴメン。」


「やっぱり忘れてたんじゃん!ター君の顔みたら絶対忘れてるわって思ったもん!あの飾りつけはあの時居た女にしたんでしょ!」


「いや、うん、そーなんだけど…」


「あの子も誕生日だったの?」


「いや、誕生日とか知らないよ。」


「何それ!意味わかんない!」


僕はあの痴漢事件から昨日のことまでを説明した。


「そーなんだ…全部私の早とちりだったんだね。」

「僕もなんか色々テンパって説明とか出来なくてごめん。」


「あの子に悪い事しちゃったなぁ〜。でも、ター君を取られた様な気がしてすごい嫌だった。

あのままター君を行かせたらもう戻ってこないんじゃないかって…」


「そんなこと無いよ!みーちゃんは僕のお姉さんみたいな存在だし居なくなるなんて事ないよ!それに北条さんは数少ない僕の友達だし…」


「お姉さんか……。」

みーちゃんは切なげに微笑んだ


「そーだよね!ター君も男なんだし女の1人や2人連れてくる事だってあるよね!あー夜からなんも食べてないからお腹減ったなー!」


「あ!これ母さんがケーキだって」

「さっすがおばさん!!」


「そういえば、プレゼント見て良い?」

「うん、気に入ってもらえるか分からないけど」


「カワイー!!早速着けちゃお!」

鏡の前で髪を束ね満足気にシュシュを着けるみーちゃん

「どう?似合ってる??」

「似合ってると思うよ」

「そーゆう時は可愛いねとか言った方が良いよ。いやーでもター君にこんなセンスがあったとはねー!誕生日忘れてたってことは許したげる!」


「ケーキはター君家で食べよ!おばさんも一緒に!さっ行くよ!」


いつものみーちゃんに戻ってくれた、

やっぱりみーちゃんは明るくて元気なのが1番似合っている。


「おばさーんケーキ一緒に食べよー!」

「みーちゃん元気になったの?」

「うん!ねぇこれ見て!ター君がくれたの!

「可愛いわね!琢己にこんなセンスが!?」

「でしょー?」


いつもの大沢家だ。


僕の部屋ゴロゴロ漫画を読んでいるみーちゃんが

「ねぇター君あの子はどうしたの?」


「あぁ…北条さんにも謝まらないとなぁ」


「学校一緒なんだよね?明日私も謝りたいから呼んでくれる?話したい事もあるし」


「うん…話したい事って?」


「いいから!よろしく〜」


その後メールで放課後に屋上に来て欲しいと送っておいた。






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