デート?
次の日、アルバイトも休みだった僕は茜さんに電話を掛けようとしていた。
「待てよ?僕から電話するのって初めてな気が…」
そう思うと一気に緊張してきた。
「良いのかな電話しても…えーい、掛けてしまえ!」
プルルルル
『た、琢己君!?』
「こ、こんにちは!」
『珍しいね!琢己くんから電話なんて』
「い、忙しかったですか??」
『んーん、大丈夫だよ?どうしたの?』
「あの、お暇だったらどこか出掛けませんか?」
『うん、暇!すっごく暇してたの!』
出掛ける約束をし、街へ向かった。
「琢己君!待った?」
「茜さん。今ちょうど着いた所」
「今日はどうしたのかな?」
「体育祭の時色々助けて貰ったからお礼をと思って!初めて給料貰ったし!」
「えー気にしなくて良いのにぃ!私も楽しかったし。給料貰ったんだ!頑張ったね琢己君!」
「振り込まれたの見たら達成感ってゆーか凄い嬉しかったなぁ!だから、今日は奢ります!!」
「でもカメラは大丈夫?」
「それは、大丈夫!ついでって言ったらなんだけど良かったらカメラ買いに行くの付き合ってもらっても良いですか?」
「どこへでも付き合うよ!じゃぁ…お言葉に甘えさせて貰おうかな?」
「任せて下さい!」
「なんかデートみたいだね!」
お互い顔が赤くなった。
茜さんの行ってみたいと言うスイーツの店へ向かった
「ここのね、ジャンボウルトラサンダービッグフルーツパフェって言うの食べてみたかったんだー!」
「すごいデカそうなネーミングですね…」
ネーミング通りめちゃめちゃ大きかったが茜さんはペロリと平らげた。
「茜さん細いのに凄い食べますよね!僕なんかデブなのに意外と少食で。」
「家族みんな大食漢で…なんか恥ずかしい!可愛くないよね!?」
「いえ!かわいいですよ!子供みたいで!」
「子供って言われたぁ!ぶー。」
「ご、ごめん!」
「あははは。じゃあカメラ見に行こっか!」
僕達は家電量販店へ行ってみた
「わぁー沢山あるね!」
「カメラにも色々特徴があって色々な種類があるんです!僕の欲しかったのは、これです!」
「おー!カッコいい!でも、結構高いよこれ。
カメラって値段結構するんだね。」
僕は固まった。
「た、足りない。お金足りない。」
「え!?じゃあこれとか!安いし!」
「これって決めてたんです。」
「私がジャンボウルトラサンダービッグフルーツパフェ食べたからだよね!私も出すよ!」
「いえ、それ以前に全く足りてなかったです。金額見てなかったのが悪いんです。もうちょっとバイト頑張れば良いだけです!」
「う、うん!応援してるからね!」
店を後にし、夕方になった。
「琢己君、私の買い物にまで付き合わせてありがとね!」
「全然全然!すごく楽しかったです!」
「うん!私もすっごく楽しかった!」
僕はふと橋本さんの言葉を思い出していた
「あの、茜さん。また誘っても良いですか?」
「もちろんだよ!いつでも。」
僕にとってはそれは大きな一歩だった
数日後、体育祭やバイトで忙しく久しぶりになかなか行けなかった部室でゆっくり時間を過ごしていた。
「大沢ー大沢ー。大沢は居るかー?」
「先生?」
「大変だぞ大沢!!」
「どうしたんですか!?」
「さっき一本の電話があってな。やったぞ大沢。お前の写真が賞を取った!」
「へ?」