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部外者じゃねぇ

最後の練習の日。上達はしているのだが転ばずに成功したことが無かった


「あー、もう暗くなって来ちゃったね。」

「もうやめておこうか?」

「最後にももう一回しよ!あそこの木まで!」

「わ、わかった!」


「せーの、1.2.1.2.」

「1.2.1.2.」


「はぁはぁ…出来た!やったやった!出来た!」

「出来た!やったね!」

達成感と茜さんの笑顔で胸がいっぱいになりハイタッチをしはしゃいだ。

「ん?何をやってるでござるかあの2人は。明日は体育祭だってのに早く帰れでござる!」


一方その頃、琢己の通うコンビニでは


「ハセちゃん。これ、ありがとう。面白かった。」

「でしょ〜!マイちゃん気にいると思ったんだよねぇ!

「今度お礼する。」


「いいよいいよーお礼なんか!マイちゃん明日は暇??良かったら大沢くんの応援に行かない?

まぁこんなおじさんとデートみたいになるのは嫌だよねんあははは!」


「いいよ。…楽しみ。大沢がしくじる所。」


「ヒドイなぁー!じゃあさ、大沢くん活躍するの昼過ぎらしいからどっかでランチしてから行こうよ!」


「うん…!」


体育祭の朝を迎えた

「やぁター君!茜との秘密の特訓の成果は出せそうなのかい??」

「頑張るしかないよ。せっかく茜さんが手伝ってくれたんだし。」


「ター君、楽しめば良いんだよ!順位なんて関係ない!まぁそりゃ〜勝てた方が良いんだけどさ?負けたって絶対得られる事は沢山あるよ!でも今日は敵だから、手加減しないからね!楽しもうね!」


バーンと背中を強く叩いた

「みーちゃんありがとう!」


「んじゃ、また後でねー!」



《第38回△△高等学校、体育祭を……》

ざわざわざわざわ


《はーじめるぞー!!おらぁー!みんな準備は出来てんのかー!?》

オー!!!

《お前ら勝ちたいか!?》

うぉー!!!

「田中だ…めちゃくちゃ盛り上がってる。」


《歳の差なんて関係ねぇー‼︎てめぇらの意地見せてみやがれー!!》

うおーー‼︎‼︎

《今日の敵は明日の友、全力で楽しみやがれー‼︎》


おーー‼︎‼︎



開始早々田中のおかげ?で生徒全員のテンションは最高潮に達した。


最初の競技から接戦を繰り広げられている。

1年も2年も3年も一歩も引かない大激戦だ。


ほぼほぼ同点のまま昼休憩になった。


「ブタミ氏、声がガラガラになってきたでござる」

「すごかったよ、実況。僕には到底真似出来ないよ。」

「昼1の競技はついに二人三脚でござるよ!!」


そう、本番は田中とのペアで走る事になる。

めちゃくちゃ不安だ…ごめん茜さん…


「不安そうでござるな?任せるでござるよ!」

「頑張ろう。」


昼休憩も終わり、準備が淡々と進められていく。


「やっほーあっかねちゃん!」

「あ!店長さん!橋本さん!」

「こんにちは。」

茜さんはあれ以来なぜか仲良くなっていた。


「大沢きゅんの応援に来たよー!」

店長はメガホンを持って応援する気満々だった。


「あいつ。緊張して足でも震えてそう。」


「緊張はしてるかもですね…でも沢山練習したからきっと大丈夫!」


《おらー選手は用意しろー》

放送が沙月先生に変わっていた。

田中の代役らしい。


「行くでござる!拙者達にこの後の運命が掛かってるなり。」

「ちょっと変なプレッシャーかけないでよ!」


「ター君田中負けないよ」

「な、なにー!?美鈴先輩現る…これは一筋縄では行かなくなりましたな。強敵ですぞ。」


《よーしそれじゃ始めるぞー》

頑張れー負けんなー

田中ブタミー負けたら許さねーぞー

ファイトー


《位置について》

心臓がバクバクする

《よーい、ドン!って言ったらスタートして下さい。》


ズデーン

全員綺麗に引っかかる

ちょっとー

先生やめてよー


《あっははは!腹痛い腹痛い!マヂお前ら最高!ちょーウケるんですけど!》

注意を受けた沙月先生


《悪い悪い。じゃあ仕切り直して、位置についてー…よーい、ドン》


《3年御神本組はロケットスタートを炸裂させた!

1年もまずまずのスタートだ!

どーしたどーした2年大沢田中!スタート失敗だー!》


「琢己くん…!」


「しまったでござる。どっちの足から出すか決めてなかったでやんす。

「ご、ごめん!」


「まだまだ逆転出来るでやんす!諦めたらそこで試合終了ですよでやんす!それに先生め売れないお笑い芸人のコンビ名みたく呼びやがって。」


《2年大沢田中体制を立て直して走り始めたー!3年独走状態!ああっと1年倒れた!2年が迫るー!!》


「行けるでやんす!」

「うわっ!」


《これは惜しい!あぁっとついに3年も倒れたー!まだまだ勝負の行方は分からないー》


「美鈴大丈夫?」

「平気平気!まだ結構リードあるし!後輩達に負けられないでしょ!」


「大沢きゅん達結構離されちゃったねぇ。」

「根性見せろよ。」


「琢己くん頑張ってー!」


「あんなに練習したのに…やっぱこうなるんだ。」

「諦めたらダメでござる!負けても良いから茜たんにカッコいい所見せるでやんすよ!」

「田中知ってたの?」

「見かけたでござるよ。2人が一生懸命になってる所を。」



なかなか立たねーなぁあいつら

やっぱりあの凸凹コンビじゃ…

負け確定ー

はぁーあ

「おい。てめぇら。あいつらがあんなに必死こいてんのに何にも思わねーのか!」

「マイちゃん⁉︎」

「橋本さん⁉︎」


「こーゆう奴ら見てるとイライラする。何もしねーでグダグダと。」

「まぁまぁマイちゃん!僕たち部外者だし…。」

「部外者じゃねぇ!私はあいつの先輩だ!」


「お前らあいつは、時間のある時に遅くまで練習してんだぞ!みんなに迷惑かけたくない足を引っ張りたくないって。

そんなクラス思いの仲間を応援できねぇなら体育祭なんてやめちまえ‼︎」

「ちょちょちょマイちゃん!」

え…

誰…?

めっちゃ美人…

カッコいいー

ざわざわ


「ん?なんかザワついてるでござる。」


「ハセちゃん、メガホン貸して。」

「え?はい。」

「大沢ー!!」


ざわざわ

なんだなんだ


「橋本さん!?店長!?」

「なぬ!?どこの美女でござるか!?」


「お前そんな所で諦めてんじゃねーぞ!ちんこ付いてんだろ!男見せろや!負けたって良いじゃねーか。茜も勝って欲しいから練習付き合った訳じゃねーだろ!根性みせろや!」


「え、誰あれター君。気になるー」

「美鈴!集中して!きゃっ」




「橋本さん…。そーだよな…諦めたらダメだ。」

「ブタミ氏。拙者美鈴先輩には悪いがあの美女に惚れたでござる!用意は良いですな?」


「うん!行こう!せーの!」


あの人の言う通りだ

俺達も応援しよう

頑張れーブタミー

田中行けー

頑張ってー

「橋本さんありがとう…。」

「なんでお前が泣いてんだ。」

「なんか嬉しくて。」

「ボクも!」

《おぉっとなんだか異様な空気になったぞ!これは大波乱が起きる予感だー!》


「1.2.1.2」

《さっきとは打って変わって2年大沢田中息がぴったり合っているーこれはもう覚醒したーシンクロだー‼︎》


「やば!早っ!」

「もうすぐゴールだよ!!」


「うおー!!!」

「キエー!!!」


「きゃー」

「いやー」


《どっちだ!どっちだ!どっちだ!今ゴールイン‼︎》

ワァーー

パチパチパチ

《判定が僅差だったため少々お待ちください》



「はぁーはぁー疲れた」

「最後は一回も転ばなかったでござるな!」


「琢己くん!すごかったすごかった!」

「なんで泣いて?」


《結果をお伝えします!田中君のアゴが僅差で白線を超えていましたので二人三脚優勝は2年!おめでとうございます!》


「やったー!」

僕は生まれて初めて一等を取れた。初めて見る景色だ。

「琢己くんすごい!カッコいいよ!」


また僕は茜さんとハイタッチが出来た


「ター君。頑張ったね?おめでとう!」

みーちゃんは優しく笑って握手をした。


「やったやった大沢くん!やったねマイちゃん!」

「ふん。」



その後、借り物競争ではなにも借りれず失格という

流石にさっきの感動を返せと言わんばかりに白い目で見られた。

結果、3年が優勝し、2年はビリでした。


初めて体育祭を少し楽しめた1日だった。

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