橋本さん
今日もバイトだ。また怒られると思うと憂鬱だ。橋本さんは怒鳴ったりとかはしないのだが威圧感が半端ない。
「おつかれ様です!」
「はい、おつかれさーん!」
店長はいつもニコニコしている
「おつかれっす〜」
橋本さんも同じ時間に出勤してきた。
「マイちゃんもおつかれさーん!」
橋本さんは店長をジロっと見る
何か機嫌でも悪いのかな…うわぁ恐ろしいー!
「それ昨日教えたよね。」
「す、すみません!」
ひぃー!!ついに開始10分も経ってないのに早速来たー!!
「今日は裏の商品整理するから来て。」
「は、はい!」
淡々と説明を受ける
「あんた、デカイよね。」
「あー、よく言われますあははは」
「ふーん。」
え?それだけ?なんか余計に気まずい!
「おーい、マイちゃん今日暇そうだから休憩入って良いよー!」
「はい。休憩入ります。」
「マイちゃんコレ!この間僕がオススメした海外ドラマのDVD!貸してあげる約束してたから!絶対ハマると思うんだよねー!」
「ありがとうハセちゃん。見てみる。じゃ休憩入るから。」
心なしか橋本さんの表情が柔らかくなったように見えた。
「どう?大沢くん慣れて来たかな?」
「まだ、ちょっと…」
「昨日の今日じゃまだ難しいよねー!慣れれば楽ちんだから!マイちゃんもとっつきにくいけど慣れれば良く喋る良い子だから!」
本当にそーなのかぁ?良く喋る所が想像つかない。
「頑張ってね!大沢君も休憩入っちゃいな!」
そう言って店長は僕の背中をポーンと叩いた
休憩室のドアを開けた。
「休憩入りま…」
僕はすぐにドアを閉めた。
橋本さんがジタバタしてピョンピョン飛び跳ねていたのだ
ガチャ!!
「大沢!!…見た?。」
「な、なにをですか?何も見てませんよ!」
「そ、そーか。」
「ゴキブリでも出たんですか?」
「見てんじゃねーかよ!!」
僕は腹にパンチを食らった。
「お。なかなか良いサンドバッグだな。」
「や、やめてください…」
「まぁさっきのは気にするな。あのあれだ只の体操だ。私はもう休憩上がるから。誰かに言ったら殺す。」
「はい!決して誰にも!」
それにしても体操には全然見えなかったのだが…
橋本さんは謎が多いな…
「大沢きゅん、今日もおっつかれさん!上がりなよ!」
「あ、はい!」
僕は着替えて店を出る
「お先に失礼します。」
「おつかれ。」
橋本さんの殺意のある睨みで僕は震えた。
逃げるように帰ったのは言うまでもない
グッタリ帰ると
「ター君おかえりぃ!バイト始めたんだって?どーなの?どーなの?」
「ただいま。初めての事ばかりですごい疲れるよ。」
久々にみーちゃんを見る気がする。とゆーか、久々にうちに来た
宿題を溜めに溜めていたらしい。
「へぇー!大変そうだね!今度見に行こーっと!」
ニヒヒヒと笑う
「来ないでよ!恥ずかしいし!」
「お店に入れば私はお客様だぞ!!」
「そ、それを言われると何も言い返せない…」
「あーもう夏休み終わっちゃうね。やだなー。」
「あっという間だよね」
「でも、すぐに体育祭あるよ!」
「げっ…」
僕は体育祭が大嫌いなのだ…。