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夏祭り

祭りの日の夕方、僕は祭りの風景でも撮ろうと思いカメラを準備していた。


「おっばさーん!見てぇ!どう?」


「みーちゃん可愛いわね凄く似合ってるわよ!」


「へへへへ」


浴衣を着付けたみーちゃんが来たらしい

「どう?ター君」

「似合ってるんじゃないかな?」

「だからー。」

僕は顔を赤くして

「か、かわいいよ…」

「うむ、よろしい!」


「ター君のくれたシュシュもほら!じゃ、行こっか!」

みーちゃんは凄く楽しそうだった


そして、祭りが行われている神社へ。

「遅い!遅い遅い!遅いでござるよー!!30分以上も待ったでござる!」


「げ、田中。なんで待ってんの?」


「田中も来るって半強制的に…」


「ブタミ氏だけではやはり美女2人を楽しませるなんて事絶対不可能なのでござる!」


「田中の方が不可能でしょ!」


「姉御、そんなに毒づいてそれは愛の裏返しと見てよいですな?」


「誰が姉御だ!よいわけないだろ!」


「おーい、皆ー遅れてすみませーん!」


北条さんも浴衣を着てやってきた

「キター!茜たんキター!全然待ってないでござるよ!やはり浴衣美女が2人も居ると華がありますなー!」


「えっと…田中君でしたっけ?」


「ごめん、北条さん。田中が無理矢理来て…」


「いえ、全然私は大丈夫です。大勢の方が楽しそうですし!」


「茜たんに名前を覚えてもらえていて拙者、感動の嵐です。

飴の茜にムチの美鈴…それもまた良きかな…」


「こいつなんかムカつくー。」


「じゃあ皆行きましょうか」


「私、焼きもろこし食べたい!茜なにしたい?」

「私は…射的って言うのやってみたいです!」

「イイね!」


「茜たん、僕がキミのハートを射抜いてあげますよ。」

「あんた、さっきから何言ってんの?うるさいんだけど!」


みんな楽しそうだ

僕はカメラを向けて1枚撮った。


「大沢君置いて行っちゃいますよー!」

「は、はーい!」


ひと通り回りきった僕たちは少し休憩していた。

「すごい楽しかったですー!」

「田中居なければもっと楽しいんだけどなー!」


「ツンデレな美鈴様も魅力的でござる!」

「デレてないし!」


「ちょっと僕飲み物買ってくるよ!」

「仕方ない拙者も手伝ってやる」


僕と田中は自販機までジュースを買い行った


「いやぁ、生きててこんな楽しい祭りは初めてでござる。ブタミ氏ありがとう。」


「なんだよ改まって。でも僕も楽しかった!写真も沢山撮れたし。」


「持つべきものは友ですな!」


人数分のジュースを買い2人の居る所へ戻る

すると何やら揉め事か?


「ちょっとヤメて下さい!」

「あんた達なんなの!?行かないって!」


「良いだろ俺たちと楽しい事しよーぜ!」

「まぢこの2人ゲロマブなんだけど!」

「あっちに車もあるしドライブでもしよーよ」


男3人に執拗なナンパを受けていた

1人の男がみーちゃんの腕を掴んだ


「きゃっ!ちょっと!」

田中がジュースをその男に投げつけた。


「痛っ!!」

「なんだ!?ゴルァ‼︎」

「ター君!田中!」


「美鈴先輩の手を離せ!!」


「ツレが居んのかよ!」

「こんなキモいのとデブと居るより俺達の方が楽しいって!」


もう1本ジュースを投げつけた

それは避けられた


「おい、調子乗んなよ!」

みーちゃんは手が離れ少し離れていた

田中は胸ぐらを掴まれた

「せっかく楽しかった拙者達の邪魔をするな!」


「こいつやっちまうわ」

1発殴られる

ゴッ

「ぐっ…」


「おい、もう1人の連れてけ!」


「おら!来い!」

「やめて!」

北条さんはその男の腕に噛みついた。

「痛ー!このクソアマ!」

頬を叩かれ恐怖のあまり震え身動きが取れない状態に


僕は怒りが頂点に達した。

「北条さん!!」


無理矢理連れて行かれる


「ブタミー!早く追いかけろ!ここは任せておけ。こんな奴等拙者だけで十分でござるよ!」


「わ、わかった!絶対助ける!」


みーちゃんも恐怖で身動きが取れない

「みーちゃん!すぐ戻るから!」


そして北条さんを連れて行った男を追いかけた


そーだった。僕は足が遅い。

「クソっ!どこに行った!」

この体型のことをこんなに悔やんだのはいつ以来だろう…


「田中!もう良いから!危ないから!やめなよ!」


「美鈴先輩…拙者この前ボクシングの入門書を買って練習したでござる」


「それ、大丈夫なの!?」


男が先に殴りかかってきた

それを華麗にかわす田中

「すごっ」


だがもう1人の男に蹴られる


「卑怯者ー!正々堂々掛かってこんかい!」


田中はボコボコにされた

それでも何度も何度も立ち上がる

「来いよ…ビビってんのかよ…あ?」

「田中…もうやめてよ…」


「美鈴先輩守れなきゃブタミに合わせる顔ねーだろ!!」

そして、何度も倒され何度も立ち上がった


男達も田中の気迫に負け

「もういいよ、俺達も悪かったよ。」

「ちょっとしつこかったな悪かったよ。」


「もう終わりかよ….まだまだやれるぜ…」


男達は逃げるようにその場を去った。


「田中!大丈夫!?大丈夫じゃないよね!?」


美鈴は泣きながら田中を抱きしめた


「先輩…拙者勝ったでござるか…?」

「うん…勝ったよ…」

「かっこよかったでござるか…?」

「かっこよかったよ…」

「付き合って下さるか…?」

「……一瞬トキめいたけどそれは無理…」

「ガクっ…」

「ちょっと!自分でガクって言って気絶しないで!」



その頃琢己は


「はぁ…はぁ…どこ行った!?」

クソー足も遅ければ体力もないなんて…


「きゃあ!大沢くーん!」

北条さんの声がした


「はぁはぁ…居た!見つけた!」


北条さんは車に入れられそーな所を必死に抵抗していた


僕は力を振り絞ってその男にタックルした

「うわぁー!!」

ドンっ


男は吹き飛びどこかに頭を打ったのか気絶した


「北条さんこっち早く!」

「大沢くん!」

北条さんの腕を掴んで人気のない所まで走った。


「はぁ…はぁ…北条さん大丈夫?平気?」


「はぁ…ゴホっゴホっ!う、うん、大丈夫だよ。」


「良かった…ほっぺた少し腫れてる…」

僕は無意識に北条さん頬に手を添えた

「大丈夫?」

北条さんは安心したのかわーんと大泣きをし僕に抱きついた。

「また助けてもらった…いつもいつもごめんなさい…。いつもいつもありがとう…」


「私、大沢くんのこと…」


あれ?なんか目が回ってきたぞ

僕はその場で倒れてしまった



目が覚めると

「う…うーん…」

そこには北条さんの顔があった


「良かった!目が覚めた!ビックリしたよ」


北条さんは膝枕をしてくれておデコに冷たい水を当ててくれていた。

「あっ、ごめん」

「ジッとしてて…今美鈴さん来るから…」



「茜ー!ター君は!?」

「今目が覚めたところで」

「良かったー!」

「ごめん、みーちゃん」

「私もごめんね…今おばさんが迎え来てくれるから」

みーちゃんは泣いていた

僕は起き上がり

「田中は?」

「酷い怪我で意識失って救急車で運ばれたよ…でも大丈夫だって」

「田中の所行かないと」

グラっ

「うぅ…」

頭が痛い

「無理しないで大沢くん」

「ター君今病院行ってもまだ面会出来ないから明日にでも行ってみよ?」


それから母さんが迎えに来て北条さんを送り帰宅した。




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