だから僕もデブです
お母さんもデブです
お父さんもデブです
だから僕もデブです
なにかの映画にあったセリフ正に僕だ。
僕は大沢琢己
高2のデブです。背も横も皆んなより大きい。
アダ名はブタミ。琢己の琢が豚に見える事で小学生の頃からそう呼ばれている。
小学生とは残酷なものだ。
運動会なんて大嫌いだった足は遅いし組体操は必ず土台役。
身体測定なんかある日は後ろからクスクスと聞こえてくる声に嫌気が刺した。
そんな事もあって、僕は引っ込み思案で恥ずかしがり屋。目立つような事は極力避けて生きて来た。
ただでさえ大きな身体で目立つのに…
唯一、僕には好きな事がある。
それはカメラだ。
写真を撮っている時は無駄な事は考えなくて良い。
ちなみに写真部に在籍している。
部員は僕だけだけど。
このまま平凡な日常を過ごし、写真を撮って何事もなく卒業出来たら良いと思っていた…
「ただいま〜」
「あら、琢己今日は早かったわね部活は?」
「今日は早く終わらせた。明日学校休みだし撮りに出掛けるから」
「あらそう気をつけて行きなさいよ!夕飯の支度もうすぐ出来るからお風呂入っちゃいなさい。あ、あと今日みーちゃんご飯食べに来るから」
「え、なんで?」
「今日お父さん仕事で帰りが遅いんですって!だから誘っちゃった!」
「うるさいのが来るのか…」
みーちゃんとは御神本美鈴隣の家の1つ歳上の女の子だ。
いわゆる幼馴染だ。幼い頃に引っ越してきたみーちゃんだけはター君と呼ぶ。
小学生の頃から内気な僕を守ってくれるお姉さんみたいな存在でそれは今も変わらない。
父子家庭でお父さんの仕事が忙しいらしくちょくちょくうちに来る
「風呂入ってくる」
ざばーん
「ふぅー。1日の疲れが抜けてく〜」
ピンポーン
「おばさんこんばんは!」
「いらっしゃい、みーちゃん!もうすぐ夕飯出来るから座ってて」
「はーい!ター君は??」
「今お風呂入ってるわよ」
「風呂か」
ニヤリと笑う美鈴
ドタドタドタドタ
ガチャ!
「ター君!」
「な、なんだよ!」
「私も入って良い?小さい頃よく一緒に入ってたじゃん」
「ななな何言ってんだよ!入れるわけないだろ!」
「冗談に決まってるじゃんギャハハハ可愛いなぁター君は!早く上がってね!」
「うるさい!」
昔からよくからかって来るのも変わらない。
そして、夕食中は他愛もない話で盛り上がり
「みーちゃん、また綺麗になったんじゃない?琢己もそう思わない?」
「わ、わかんないよ!」
「おばさん上手言っても何も出ないからね!」
「ター君明日は何かすんの??」
「明日は写真撮り行こうと思ってるよ!みーちゃんも行く?」
「えー良いなぁー。明日は友達と映画行くから行けないやー残念!」
「そっか、まぁまた」
「うん!誘って!!」
そして、翌日…