8/21
3月の夜
我が家は石油ストーブ派です。
濡れたサンダルをひっかけながら外に出る。
寒い寒いと唱えながらも
灯油をタンクに注ぐ準備をする。
昔は手動で注いでいた灯油も
今は自動で注いでくれる、便利な時代。
便利な時代の恩恵で、手持ち無沙汰で立つ私。
ふっと空を見上げると
月がぼんやりと光っている。
昔の人も私のように
便利なモノの為に、時間を余して
夜空を見上げることがあったのだろうか。
想像を膨らましていると、
賢い機械は既に停まっていた模様。
早く暖まりたくいそいそと、
月に背を向け別れを告げる。
しまった、サンダルで足が濡れている。
仕方なく、コソ泥のように家に入る私を
月が笑っているようで恥ずかしい。
まだまだ寒い3月の夜、私の日常。
読んで下さりありがとうございます!