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流れる風景
歯医者さんが怖すぎて
前を通るのにも泣いていた幼い私。
父の運転する車に乗り
ただただ
流れる風景をみる。
少し窓を開けると、風が強く顔にあたる。
風を顔で受け止めながら、外の空気を吸うと
車内の独特な匂いから解放される。
時々揺れる車と、安心する父の運転。
子供の頃からよく眠れるその空間は
私にとってゆりかごのよう。
心地よいゆりかごの車の中
流れる風景をみる。
風ではためく
入居者募集ののぼり旗。
追い越してゆく
黄色く丸いかわいい車。
父の好きなジャズが
スピーカーから流れだす。
ちかちか焦る信号と
ふらふら渡る老人と杖。
コンビニは数えて15店舗目。
昔通っていた歯科医院が見えた。
そっと目を伏せ、
流れる風景とさようなら。
読んで頂きありがとうございます!
今日は休むと言っていたのですが
書いてしまったので投稿しました。
不定期更新すみません(・・;)