6、助手
手持ちを放出中
まだお仕事はあったようで。。。。
今いるのは地下5階にある会議室。
「タカシ君、サユとユミの異能は何か判るかな?」
ミユキさんに尋ねられた。
「サユさんは結界、鑑定解析、治癒魔法、水操作、浄化ですね。ユミさんは結界、電気操作、精神干渉、空気操作、浄化ですか」
「君にもそう見えるか。私の鑑定も同じ結果だ」
「はい、5つも異能を持っているということはすごい事ですね」
「君がそれを言うか?それでこれからの事だけど二人にはタカシ君の助手になってもらう。神社が忙しいからは正月明けまでは夕方少しだけタカシ君と異能の訓練だな」
「訓練ですか。私が指導できるのですか?」
「大丈夫だよ。君にはあの本があるだろ。それから封印が解けた異能がすぐに自由に使えるわけではないからな。正月明けからは学校優先で空いた時間にということになるがタカシ君の仕事の手伝いだ」
「えーと、短大卒業後の進路とかは大丈夫なのですか」
「大丈夫だよ。就職先は総合コンサルタント事務所になっている。あ、タカシ君もそこの所属になっている」
「そうなのですか」
「納得したかな」
「・・・はい」
その後リュウキ所長が二人へ激励した後、サユさんとユミさんを連れて私の研究室へ移動した。
研究室の助手用の個室はそれぞれの部屋になるということだ。
二人に部屋を確認してもらった後、早めの夕食を食べることにした。
すでに時間は午後5時20分だ。
レストランから夕食用日替わり弁当を取り寄せる。
まだ昼間の3人の秘書もいたのでその3人の分と夕方から勤務の一人の分も合わせて7人分を注文する。
秘書の4人との顔合わせも行い、夕方勤務の一人には事務室で夕食を食べてもらう。
弁当と言え、夕食用というだけあって昼食用以上に豪華だった。
前菜から始まってデザートまで品数も多く美味しかった。
サユさんもユミさんも満足してくれたようだ。
訓練は明日から始める。
午後3時からの2時間行うことになっている。
そして夕食をここで食べて神社で2時間のお仕事だ。
二人はここの12階に住んでいる。
しかし特殊異能者の二人の待遇はこれから変わってくる。
18階に部屋を用意することになったようだ。
19階には空きが1つしかないので18階になったらしい。
「あの、今日は訓練がないということですが先程の『防寒結界』だけでも教えてもらえませんか?これからの作業が結構寒いので」
「ああ、いいよ」
神社を出てこちらの建物に帰るときに全員に神社に行くときに使った結界を掛けた。
ミユキさんがその結界を『防寒結界』と名付けた。
この結界は全員に好評だった。
宮司さんからは防寒結界の魔道具ができないかと訊ねられて困った。
結局、ミユキさんと一緒に魔道具を作ってみることになった。
ミユキさんの異能は鑑定解析と魔道具製作なのだそうだ。
これで神社はこの冬助かると言われた。
二人は簡単に『防寒結界』を習得した。
才能が元々あるようだ。
二人を送り出した後、19階の自宅に戻る。
明日は結界の訓練を行う予定だ。
浄化はどうする?
水操作と空気操作か。
精神干渉っていいのかな?
制限が必要じゃないのか?
これらも私にできるのかな?
これらも本で学ばなければいけないな。
何か一つ忘れているような・・・・。
あ、折角所長と会ったのに私の持ち物のことを話すのを忘れた。
まあ、あの場では無理か。
これも明日だ。
温泉施設に行くのも忘れた。
今日も部屋の風呂だね。
本を読んで結界についてお勉強だ。
・・・・・
・・・・
・・・
おやすみなさい。
* * * *
「封印の解呪もその後の人事もうまくいきましたね」
「そうだな、ミユキさんは彼の解呪について何かわかったかな」
「初めに封印の分析を行っていたようでした。そしてその封印に適正な解呪を施していましたね。二つの術の流れもスムーズでした。素晴らしいです」
「やはりそうか。あれほど見事に解呪ができるとは思わなかった。強力な異能を持っていてもごり押しでなくよく考えた方法を行うのはすごい事だ。それで訓練を全て彼に任せてよかったのか」
「はい、まだ彼に関しては浄化や水操作や空気操作を確認できていませんが、それらの異能を持っているでしょう」
「つまり知られている異能は全てということか」
「はい、さらに知られていない異能も持っているでしょう」
「ミユキさんの鑑定でもわからないのか?」
「はい、強い隠蔽があるようで無理です。彼が話してくれたり認めたものだけがわかります。彼にはまるで封印でもかかっているような印象を持ちます」
「彼が人類の脅威にならないことを祈るよ」
「「「「「「同感です」」」」」」
「あと、ユミの精神干渉だが制限の魔道具を渡す必要があるな。タカシ君はどうだろう?」
「彼には無駄でしょう。彼の力は強力過ぎますよ」
「彼を信じるしかないか」
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