19、国際会議へ
国際会議の会場になる離島は伊豆諸島も先にある浅瀬に造られた人工島だった。
私がここに人工島があるとは知らなかった。
そのはずだ。
この地域は許可のない接近は禁止されているということだ。
南北1km東西2kmの島は人工島には見えない様な緑がある島だ。
その中に会議施設と宿泊施設がある。
この会議施設のある島から1km離れた所に3000mの滑走路を2本持つ空港島がある。
二つの島は橋で結ばれている・・・・・。
これは簡単な事ではないこの周辺の水深は1000m以上。
そこに沢山の支柱を立てて二つの島と橋を維持している。
海中からの襲撃等に備えた結界や防御施設も充実しているという。
守るだけではなく攻撃力もあり、直ちに展開できる潜水艦部隊・軍用艦・軍用機が民間機として配置されている。
軍事基地と言っても過言ではないぐらいの施設だが会議施設というようにカモフラージュされている。
「これは当然政府も・・・」
「タカシ君、これは特殊案件用だ。君も知らない方がいいことがある」
「そうですね。でもこんなところで国際会議を開いていいのですか?」
「構わないよ。この国際会議は我々の組織関係の事案だ。国と組織と各国にある組織との会議だよ。この施設は組織の国際共同施設だよ」
「そうですか」
「ひとつ問題は報道機関を締め出さなければならないということだね」
「どういう事ですか?」
「異能者の国際的な組織について公にしようと考えていたということだよ。そのための会議でもあるんだが」
「はああ」
出発前にリュウキさんから様々な情報をもらっている。
私は小型ヘリで行くのだから情報が必要だ。
私の小型ヘリは最高時速は800kmだがそれ以外に進む方法がある。
前方20km先までの転移を可能にする機器ついていた。
私自身の目視と空間把握の組み合わせだと40km先まで転移が出来そうなので微妙な機能なのだが。
さらにこの小型ヘリの機能は再使用までに3分はかかる。
どんな時に使ったらいいだろう。
やろうと思えば組織の建物の上空に転移可能だがこれを行うと航空管制が混乱するので封印だね。
地下倉庫への転移は転移と同時に運動をなくさなくてはならないから大変だよ。
小型ヘリで島まで移動するのは私とフィラとサユさんとユミさんだ。
アカリさんとクミさんとカナさんとハナさんはリュウキ所長はミユキさんやその他のスタッフと羽田から専用機で出発した。
その他のメンバーは研究室に待機。
何かあったらすぐに行動できるようにしてもらっている。
私の研究室のメンバーは秘書も含めて組織最強になってしまったようだ。
この間の訓練の効果は驚くものだった。
会議初日の朝、屋上ヘリコプターを出発して約1時間で島に着いた。
途中で何回か遠方から魔力干渉のようなものを感知したが弱いもので影響はなかった。
無事に会議施設に到着した。
宿泊施設に行き、中の状況を確認した。
問題はないようだ。
リビングと寝室が6ある。
私とフィラと私の助手・秘書で宿泊する。
フィラの国の代表団は別の建物に宿泊することになっている。
さあ、午後から異能者の国際会議が始まるよ。
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