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14/21

14、新年

よろしくお願いします。


封印の事後処理の関係でカウントダウンはできなかったよ。


だから事後処理が終わったところで、


「「「「「「「「「「「「あけましておめでとうございます」」」」」」」」」」」」


新年の挨拶です。


「任務も無事終わってよかったですね」

「ほんとだね」


お夜食を食べながら少し談笑。

お酒は明日の朝までお預け。

少しだけ仮眠をとって。

皆さん初日の出を見るつもりらしい。

その後、朝食前に封印した扉を移送する。

そして帰ってきてから朝食の予定だ。


近くに神社に初詣の予定もある。

初湯もいいよね。


・・・・・・

・・・・

・・


うーん、起こされた。

アカリさんに。

寝ぼけているよ。


本館の展望台に行くと初日の出を見る人で賑わっていた。

泊っているのは6組32名と言っていたな。

宿の従業員もいるね。

宿の主人と女将さんもおり、小声でお礼を言われた。

初日の出は南東方向の山の上に上がってくる太陽を見る。

この宿では南東方向は海が見えないんだ。

日の出の後はバックアップチームの護衛を受けながらミユキさんとサユさんとユミさんとともに封印した扉の輸送を行う。

徒歩で約20分かけて厚生研修施設へ行った。

当然、防寒結界を起動したよ。


地下の保管庫に入り、収納から封印した扉を取り出した。

そして事前に用意した保管用個室に封印した扉を入れた。

最高レベルのセキュリティでの保管をした。

個室に設置した魔道具を操作し、何重もの結界を作動させてから厚生研修施設の地下から出てきた。

山道を再び歩き、宿に戻る。


宿に着いた後すぐに朝食になった。


おせち料理とお雑煮とお屠蘇。

それ以外にも伊豆の朝食ではアジの干物。

果物のデザート。


「正月だなって感じがしますね」

「こんなしっかりしたおせちは久しぶりかな」

「そうよね」

「ねえ、ここ雑煮の餅の形が変わっているよ」


伊豆あたりなら角餅が主流だよね。

ここは角餅だけど、五角形?


「五行から来ているんだよ」

「そ、そうなのですか?」


具は鶏肉と人参と里芋と小松菜ですか。

出汁もいいね。


みんなにも大好評だね。


「それじゃあ初詣に行こうか」

「「「「は~い」」」」


元気があるのは4人か。

後の7人は朝から日本酒を楽しんでいたようだ。

大丈夫か?


宿から車を出してもらい近くの集落の神社へ。

少しご挨拶してこよう。

何時も来るよな神社でないときにはお願いはしてはいけないって聞いたことがあるな。

近くに滞在していますという挨拶程度でお願いはなし。


帰ってから温泉に浸かったり談笑したりゴロゴロとしていたよ。

昼食は朝が遅かったから軽く摘まれるものを食べた。

ミユキさんはずーっとお酒ですか。

大丈夫?


私が温泉に行くと誰かが一緒に入ってくる。

勿論湯着は着用している。

でも一人でのんびりと湯着なしで入りたいんだけど。

そう言ったら私たちは構いませんよって。

こっちが構うわ!


夕食も伊豆の幸がふんだんに使われた料理を楽しんだ。

用意する旅館の人たちも大変だね。

うーん、美味しいですよ。


夜は少し収納から出した本を読んでみた。

第三魔界というのが気になる。

それからこのように魔界と繋がる扉って今までに出現したことがあるのかな?

私が来たのは扉の繋がった異界なのかな?

様々な疑問があるからね。

そしてこの世界で生きるのに十分な持ち物のことも気になるよね。

ここは自分のいた世界の並行世界なのかな?

本を読むために寝室で一人になったら様々な事を考えてしまった。

女性陣は騒がしいしちょっと怖いけど、近くにいてくれると自分が一人ではないことがわかり安心するね。

感謝しなくてはいけないかな。

そう考えながら眠りにつきました。




うーん体が重い。

あれ、拘束されている?

背中に柔らかいものが。


ええ、えーーーーーー。

確か一人で寝たはずなのに三人の女な子に抱き着かれていた。

アカリさんとカオリさんとサユさんだ。


「なんですか」

「あ、タカシさん起きたんだ。大丈夫、寝ているうちに襲ったりしていないから」

「この状況は大丈夫とは思いません」

「添い寝ぐらいいいじゃない。ケチ」


昨晩、じゃんけんで私と添い寝をするメンバーを決めたらしい。

記憶喪失で孤独な私を癒すために。。。。


はあ、ありがとうございます。


朝食後は宿の車で下田観光。

爪木崎に行って水仙を見てから町中を散策。

旅館の準備してくれた食事処での昼食後に海中水族館へ行った。

やっと観光旅行らしくなってきた。

あ、ちょっとお土産を買い過ぎじゃないの?


「わー、」


買い物に付き合って町中を歩いているとき近くで外国人の男の子が転倒しそうになった。

後方から来た男に突き飛ばされた、いや荷物をひったくられたからだ。

咄嗟に空気操作で男の子の転倒を遅らせ、ひったくりの犯人を転倒させて抑えつけた。

男の子は転倒する前に支える。


あれ、この子は女の子?

柔らかい・・・・。

金髪のかわいい男の子だと思ったが違ったようだ。

関わらい方がいい子だな。

犯人は近くにいた男の子の同行者に取り押さえられた。

すぐに警察官も来て犯人を現行犯逮捕。

あ、同行者の一人は公安だ。

私のことを知っているね。

女の子を支えている私に近づこうとした同行者-護衛だな-を押しとどめている。


「大丈夫ですか」


女の子の母国語で尋ねた。

咄嗟にでてきた言葉だ。

女の子はびっくりしたようだったけど。


「大丈夫です。ありがとうございました。あのー」


と日本語で。


「大丈夫ですよ。貴女の秘密は他言しません」

「お、おねがいします」


いろいろと知ってしまったけど知らなかったことにしよう。

私は倒れかかった男の子を支えただけだ。

護衛のおじさんとおばさん、睨みつけるなよ。

関わらない、関わらない。


ということで何事もなかったように振る舞いながらみんなとの集合場所へ行った。

お土産が多いね。



温泉と夕食を楽しんで明日は帰るぞ。


・・・・・添い寝は阻止できませんでした。


お読みいただきありがとうございました。

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