13、扉を封印する
寒さでコンピュータと私が不調です
「準備は大丈夫かい?」
「大丈夫よ」
「今から集中するぞ」
様々な情報は得ているが実際には現れた扉を鑑定解析してその結果に基づいた結界を発動し、さらに浄化封印を行う必要があるようだ。
すでにこれからの鑑定結果から構築する結界と浄化封印をいくつか準備している。
おそらく第一案で大丈夫だと思うのだが。
23時40分、空間に歪みを感じた。
その歪みの中心を鑑定解析する。
繋がる先は・・・・第三魔界?
どこ?そこは!
「第三魔界って誰か知っているか」
「魔界なんて初めて聞いたわ、ねえ、ユウ」
「はい、この先は異界と今までは鑑定されています。あ、異界って第三魔界のことですか?」
「そうだね、サユさんは鑑定結果はどうだい」
「私の鑑定では魔界としか。第三とは出ていません」
「そうか、さてそろそろ扉が出るぞ」
空間に徐々に扉が現れてきた。
よし、鑑定解析を継続して最適の結界を導き出した。
サユさんとユミさんと魔力を同調することで三重の結界を張る準備を行う。
お互いの結界が干渉しないようにする措置だ。
鑑定解析結果に変化はない。
「扉が空間に固定された。第一案で結界を張るぞ。まず一つ目だ。よし、次」
「二つ目できました。ユミ、次をお願い」
「三つ目完了」
内側から順番に3つの結界。
我々だからこそできるスムーズな連携だ。
これまでの訓練の成果でもある。
「よし、結界を維持。扉の解析の終了。今から浄化封印も第一案で行う」
「了解」
「浄化封印!三重光固定」
一番内側の結界を張っている私が浄化封印を発動する。
一度は動き出しそうになった扉はまた戻り、閉まったままの状態だ。
さらに扉が何重もの白い光に包まれた。
光の帯が巻き付いていくというのが正確だろう。
何重にも扉に巻き付き、扉を拘束する。
これでもう開けられまい。
「永久封印」
白い光に覆われた扉も周囲に金属の様な覆いができる。
その覆いによって白い光は見えなくなった。
さらにその周りには木の覆いが出現した。
板には魔法陣のような模様が浮き上がってきた。
よし完全だ!
この魔法陣の効果は魔法陣自体とケースを不壊にし、さらにその表面に結界を構築する。
「予定通りだ。完了だよ。外側から順番に結界を解除するよ」
呆気なかったね。
何年も封印できなかった扉が出現して3分も掛からずに封印されてしまった。
気が抜けてしまいそうだ。
簡単すぎてまだ何かあるのではないかと疑ってしまう。
この封印した扉は研修施設の地下深くにある特別な保管庫に収納するのだそうだ。
外にいるミユキさんたちを呼び寄せたのは23時51分だった。。。。。
バックアップチームもやってきて状況の確認も行われた。
封印された扉の運搬は明日行うことになっている。
明日の朝まではバックアップチームが私たちの警護を行ってくれることになった。
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