義父母と鬼嫁のドリフな毎日~嫁の存在編~
朝、息子を車で学校へ送って自宅に戻ると、義母がリビングで新聞を広げていた。「ただいま~。」「あぁ、お帰りなさい。」
朝食を摂っていた義父は、どうやら私が出かけている間に寝室へ引き揚げたようだったが、ほどなくトイレに起きたらしく、義母を呼ぶ声がした。だが義母は気付かない様子だったので、「お父さまが起きられましたよ。」と伝えた。
これが義父に聞こえたらしく、「いつの間に帰ってきたがよ?」と義母に尋ねている。義母の答えは「……知らん。」
え~、今しがた「お帰り」って言ってくれたじゃん!!――「だめだこりゃ。」
せめて「さっき」と言ってほしかったなぁ。所詮嫁はけむたい存在だから、その記憶も煙のようにスーッと消えてしまうんでしょ。
はいはい、それじゃ仕事に行ってきます。煙幕よろしく、再びドロンする鬼嫁であった。