98 どこへ?
スシュのお母さん。私達のもいちゃん。山に入ったはずなのに。山では木の実も実るようになり・・・皆恩恵にあずかれたと喜んでいたのに・・・なんで山にいないのかそこが一番不思議なんだよね。
『もしかしたら。いないとみせかけて,本当はヴーハイト山にいるんじゃないの?』
私のつぶやきにローティがぴくんと動いた。
『なんだって?』
『いなくなったと見せかけて,実はそこにいるってのはよくある話だよ。』
なんかのドラマでやってた気がするよ。
『何のためにそんなくだらないことをするって言うんだ。』
スシュ・・そんなに怒らなくても。
『なにかから身を隠すために』
って思わない?
『なにかってのは?ドンケハイツか?』
『かもしれないし,そうでないかもしれない。』
そこなんだよね。何から身を隠したいんだろう?ドンケハイツだとしても・・・やはりひっかかるんだよね。
そういえば・・・スシュの父親がこの国にいるって聞いているんだけど。まだその人らしき人には出会っていないんだよね。
ローティにだけ聞こえるように
『スシュのお父さんって人がこの国にいるって聞いたんだけど。それらしき人って見てないよね?』
話しかけてみた。
『うむ。その話はわしも知っているが。』
『が?』
『・・それらしきものの姿は、見当たらん。』
やはり?
『牢には?』
気になっていたことを聞いてみる。
『おらん。』
街に出たときも他国の人の話は聞かなかったしなあ。
『パン屋の親父は・・・』
『親父は?』
私が聞き返したら。
『いや。何もない。何も知らぬし,誰もいない。』
って。
どこを探したら良いんだろう?
ドンケハイトも・・・どこにいるの?




