97 冷たい目はなに?
私達は部屋に帰った。
この間から,部屋を王の居室の近くに貰っている。
一人一部屋貰ったので,ゆっくり眠れる・・・はずなんだけど。毎日近くにスシュがいるのになれちゃってるから,なんか眠れないんだ。意地でもスシュには言わないけどね。
翌朝。食堂に行こうとしたら,グローサーのおばちゃんに呼び止められた。
「王の居室で朝食を摂るという伝言です。」
このおばちゃん。ごっつくてグローサーに似てるけど,凄く細やかで優しい人なんだよね。
「あ。はい。スシュの所にも知らせましたか?」
「まだです。ノックしましたけれど,返事がなかったものですから。」
おや。また寝坊かな?
「分かりました。私が起こします。」
そう言ってスシュの部屋をノック・・・応えがない。
私が戸を開けると,向こうに布団の山が見えた。寝てるんだな。ようし・・
少しいたずら心が起きちゃった私は,布団を浮かせて思い切りひっぱいだ。
次の瞬間悲鳴を上げたのは私だった。
「きっきっき・・きゃああああああ」
私の悲鳴にスシュが飛び起きた
「なんだなんだ?」
その様を見てさらに悲鳴が出ちゃう。
「王の部屋に行ってるからね!!!!」
そう怒鳴りつけて逃げ出しちゃったから。後のことは知らない。
まさか裸で寝てるなんて誰が想像する?
王の部屋の前で深呼吸してノック・・・
する前に戸が開いた。
「あ。ブラウ。」
「何を悲鳴上げているのじゃ?」
私は無言で部屋に入った。
中には王とウィン。そしてあの女の人。それからローティとヴェッター もいた。
「お帰りなさい」
・・・そこに遅れてスシュがやってきた。その冷たい視線は何?寝坊したのはあんたでしょ・・・
『のぞき魔』
『・・・ふん・・』
用意されていた朝食を囲んで話を聞く。
やはりあの女の人は王妃だったようだ。まだ記憶が完璧に戻ったわけじゃないみたいだけど,ウィンを見て少しずつ思い出してきたみたい。
王の目は確かに彼女が自分の妻だと見抜いたそうだし。
「よかったな。」
あれ?心なしか,少し寂しそうだね。スシュ。
『あんたのお母さんじゃなくて残念だったわね』
・・・だからその冷たい目やめてよね。




