94 一言余計
私達は,城に帰ることになった。
「さて。帰るぞ。」
ローティが言うのと同時に回りに風を感じ。思わず目を瞑った・・
次に目を開けたらもう城だった。うん。早い。
当然のことながらまだグローサー達は着いていない。
城の中枢へと歩を進める。途中で会う警備のものたちも私達を見ると会釈するだけだね。当たり前か。
・・・・
会議室では王が一人書類を読んでいたよ。
「帰ったな?どうじゃ?街の様子は?」
顔を上げて王が聞いてきた。
私達は顔を見合わせ,頷いたローティが話し出した。
・・召喚獣?ちがうなあ。なんか私の方が下みたいだけど。考えてみれば,龍の方が何倍も長生きだからね。年長者を立てなくちゃね。
「まあまあ・・・まだおぬしが城に帰ったことが実感できぬものたちが残っていったぞ。」
「ほう?」
王は書類を置いて立ち上がり,う~~んと伸びをした。
「ウィンはまだ帰ってこねえのか?」
スシュが聞く。
「さっき行ったばかりだぞ。そんなにすぐには帰るまいよ。」
それはそうだね。あの女の人はどうなったのかな。知りたいところでもあるね。
王は脇にある茶器からお茶を入れようとしてくれてるよ。王にさせて良いのかなあ。ま・・・いっか。どっちみち私じゃ上手に入れられないからね。
王の入れてくれたお茶はほんのり緑茶の風味がしたよ。
「このお茶は辺境地方で採れるのだよ。」
へえ。おいし・・・
そこにウサミさんが転移してきたんだ。
「隊長さんと息子さん達を連れてきたわよ。」
って。
きょろきょろしてる隊長さんと,息子さんと息子さんのお友達。
「警備に回ったり,人々に告知して回るのに,多い方が良いだろうって思ってね。」
って言いながらまだ手を付けてなかった王のお茶を持ち上げて飲んじゃった。あらら。
「あら。美味しいわ。」
「そうじゃろう。」
って二人で話を始めちゃった。
「ああ。ユウ様,スシュ様,ローティ様,バル様。」
3人で丁寧なご挨拶。
「警備か。警備隊長が今留守してるからのう。まあ。詰め所で待つか。」
ローティがさっさと3人を連れてっちゃった。
「ウィン様ともお会いできました。ありがとうございました。」
って声が聞こえるね。
「ええ?今の・・王だったんですか?」
って息子の声だ。なんだ。王様だって分かんなかったんだ。
そこにブラウが転移してきたよ。
「ウィンを置いてきた。」
そうか。送ってきたんだ。
「それはすまぬ。」
王が言う。そうだ。向こうの様子は?どうなったんだろう?
「あちらではそんな様子だった?」
すっかりくつろいだ口調でボルフ先生が言った。
「ああ。あの女性。日常のことを少しずつ思い出しているようじゃが,素性なんかはまだ思い出してはおらんようじゃったのう。」
「女性?」
王が反応したよ。
「どのような?」
「色白で。」
スシュが言う。
「はかなげな感じの人だったね。」
私も続けて言った。
「おまえとは正反対だな。」
スシュ!!一言余計!!




