93 どこで待ってるの?
塊は動かない・・・
向こうでは派手な戦いの音。
「ユウ。どうする?」
ローティが言う。
「ローティにはこれが何か分かるの?」
「さて・・カッツェの臭いはしないようだが気配はする。」
どういうこと?
顔を上げたら,ボルフ先生も,一緒にイナって戦ってるのが見えた。
「ローティは戦わないの?」
「さて。彼らに任せても大丈夫とみた。こちらの方が・・・危うく見える。」
って・・・
私が近づこうとしたら
「やめろ。」
止めるの?
「でも。近づかなくちゃ分からないでしょ?」
私が一歩踏み出したちょうどその時を待っていたかのように塊が一気に伸びた・・・ように見えた。
「わっ」
慌てて一歩後退する・・・
「ちっ」
え?だれ?
伸びたどろどろがなにやら姿を変えている。
「ドンケハイツか?」
ローティの声が妙に遠くから聞こえるよ。
「@@@@@@そ@う@だ@@@@@」
こもったような声。
「@@だが@@@これは傀@@@儡@@にしか過@@ぎぬ。@@@@で@@待って@いるぞ・・」
「なによ!!!どこでよ!!!」
伸びた影は崩れ落ちていく・・・
「カッツェ?」
「違うな。」
どろどろの物は地面に吸い込まれるように消えていく・・・
「ねえ。カッツェはどこなの?」
「カッツェのことは諦めろ」
え?ローティ?
「今分かった・・・わしも・・・老いたのか・・・ようやく分かった・・」
「なにがよ?」
「カッツェは初めからいないのだ。」
え?
どっか~~~~んという音とともにもうもうと埃が舞い上がる。
「やっとやっつけたぜ。」
「残ったのはどろどろの水溜まりだ。」
って言いながら二人が帰ってくる。
私とローティの異様な雰囲気にあれって顔して・・
「なにか?」
とボルフ先生が聞いてきた。
「カッツェが初めからいなかったってローティが言うの。」
「初めから?」
「そうだ。そもそもの初めから。」
ローティが頷く。そんなのおかしいじゃないの?
「確かにあのコは存在していたわ。」
「俺もそう思う。」
「わたしもですよ。」
3人でローティを見る。
「わしもそう思っていた。が・・・いないのだ。」
ローティが言うには,召喚獣を呼ぶときに紛れ込んだ幻だという。訳ないよ!!!
「他の赤い獣たちの願望の具現」
なんだそれ?
「あの獣に食われたときに願望は霧散したとみる。」
・・・・・
「でも・・」
・・・
「具現だったら・・また現れるんじゃねえ?」
スシュ。たまに良いこと言うね。
「かもしれん。そうでないかもしれん。」
でも・・・もしかしたらまた現れる。
「それより我らが向かわねばならんのはドンケハイツの所じゃ。」
「あ。さっきの・・」
「そうじゃ。」
「でも・・・どこで待っているって言ってたの?」
ぽつぽつと話は進みます。
次回は城に戻ります。




