90 娘・・・種・・・森
ウィンとヴェッターを連れて帰るけど・・・カッツェはどうしよう?抵抗組織とやらはどうなったのかな?
グローサーに彼らの家に行って貰うことになったんだけど。私達も付いて来いってさ。はいはい・・・。もちろん行きますよ。大事なカッツェだからねえ。
パン屋はすぐ分かった。広場の外れに大きなお店を構えている。でもこんな良いとこのお嬢さんが何で森に行ったのかな?
『何であの子森に行ったんだろうね?』
『森・・・なんかあるのかね。』
「ねえ。グローサー,森って簡単に行けるの?」
「いや。森に行くにはいろいろ手続きがいる。あそこには魔物が住むというからな。」
え・・・
「そんな森に何で出かけたんだろうね?」
「さあな。」
あやし~~~~もしかしたら?
『もしかするかもな』
・・・・
グローサーに森の話をいろいろ聞きながら歩くんだけど・・・聞けば聞くほどうさんくさい。抵抗組織が森の中に何の用があって?彼女は一人で行ったのか?何故カッツェが血まみれになって倒れていたのか・・・
パン屋に入る・・・なんか・・・
『よどんでない?』
『ああ。』
主人が出てきた。
『あるね。』
『ああ・・・』
主人の左目に宿る黒い気配・・・
『種・・・』
何事もないようにグローサーと話し始めたのを見計らって,
『ローティ,ブラウ!!!』
呼ぶ。
『見えている。すぐ行く』
返答と同時に二人が主人の前に姿を現した。
「「「「わっ」」」
その場にいたグローサーと主人,奥さんが驚いてる。
素早くローティが主人を捕まえ,転移した。城でゆっくり種を抜くんだろうな。
「何をするの?」
「良かったですね。」
言葉がかぶる・・・
ブラウは奥さんをじっと見つめ・・・
「おぬしも植えられたな。」
っと言うなり手をかざした。額が黒く浮き上がり・・・種がぽろりと落ちる。
「危なかったな。頭に植えられたモノは根を張ると助けられぬからな。まだ新しい種で良かった。」
と言いながら,辺りを見る・・・グローサーはぽかんとしてるね。
『主人は目だったけど大丈夫なの?』
『植わっていた目は駄目だろうな。』
・・・・
「あんたは?」
グローサーが聞く・・・
「気にするな。簡単な仕事だったからな。それより,ここに娘がいただろう?」
「ああ。ここの娘。そういやいないな。」
私達は部屋を見回し,腰を抜かしている従業員を見付けて声をかけた。
「ここの娘は?」
「さっき,皆さんが来るのと一緒に外に出かけられました。」
「猫を抱いてなかった?」
「ああそう言えば。」
・・・・・
『通じないのであろう?』
『ええ。』
『支配されてるって事か?』
『その可能性は大きい。』
『でもこの前会ったときは,分からなかったよ。』
『その後で植えられたのかもしれねえぞ。』
グローサーに後を任せ,慌てて私達は外に飛び出した。
店にいた従業員に聞く。
「ここの娘はどっちに行った?」
「あっちです。」
ほう?
「森はどっちだ?」
「ここをまっすぐ行くと・・・あ。お嬢さんが行った方向にありますね。」
森に向かった娘。一緒に行った連絡のないカッツェ。どうしたんだろう?
読んでくださってありがとうございます。すみません。次回は12日です。




