86 ため息
二人の報告を聞きながら,皆で検証していく・・・
「それは,王が調べたのか?」
スシュが聞く。
「ああ。あの人の見るチカラは凄い。」
「ああ。俺も我が父ながら驚きだったぜ。」
「ふうむ・・・あの砦では,ドンケハイツそのものは分からなかったが,鍵である人物を押さえることが出来た。」
ローティが言う。
「話せるか?」
ウィンが聞くけど,
「いや。何も覚えておらんようでな。いま,一人張り付いて調べている。何か分かったら連絡が来ることだろう。」
「そうか・・・」
ローティの言葉に頷いた後,
「そちらの国が我が国と反することは・・」
ヴェッターが聞く。
「ないな・・・我が国は自由な国だからな。」
ボルフ先生が続ける。
そうか・・・あの国は,ヴーハイト山の恩恵を受けた国だからか?
「自由な国・・・もしやヴーハイト山と学園のある国か。」
「想像に任せよう。全ては終わってからだ。」
・・・・・
二人が帰った後,4人でさらに話を詰める。とりあえず,具合が悪かった者達は,良くなりつつあり,種を植えられた者も,回復しているという。よこしまな考えを持つ者は,王による選別で,さりげなく病が重くなり,自分の家に送り返されることになったと言う。伝染病なら広まっちゃうところだよ。この国はなにかと・・・・
で・・・試合をまだするの?
「試合もなくなったそうだ。」
「じゃあ試験は?どうなるの?」
「なんだ。採用されたいのか?」
「そういうわけじゃなくてさ。」
話しながら部屋を出ようとしたら,ローティに,着替えろって言われた。危ない危ない・・・
部屋に帰ってから,とにかく,この国を変にしている黒幕の居所を確定する仕事をどうするか・・・二人で話し合う・・・
「俺は・・・」
「俺は?」
「箱の人が気になるんだ。」
箱の人・・・男とも女ともつかないあの人・・・
「そうだね。この国は,王も王子も戻ったんだから,後はあの人達だけでもやっていけるかも・・・でも・・・」
「ああ。分かっている。ドンケハイツだな。」
「うん。ドンケハイツ。」
スシュはごろりと寝転んで頭の後ろで腕を組んだ。
「なあ。おまえは・・・」
「私?」
「本当はどこから来たんだ?」
「全部終わってからじゃ駄目なの?」
「・・・いや・・・」
・・・・・
しばらく沈黙が続く・・・あれ?寝息だ・・寝ちゃったんだ。
次回は30日の予定です。




