84 どんどんぼろが出ちゃう・・・
「でも,正体を隠すって言っても,もう無理だと思うけど。」
食事をしながらズィーゲ先生が言う。
「だって,皆が龍や,龍に乗るあなた達を見ているのよ。」
・・・あ・・・
「つまり,学園の皆は君たちのことを知っているって事さ。」
ボルフ先生も続ける。
ばあちゃんは,スシュの隣でぼそぼそスシュと話をしている。誰も変に思わないのは何故かなあ?
あの人は,黙って病人食を食べている・・・
「お名前は何ですか?」
あたしはその人に話しかけた。その人はびくっとして手からフォークを取り落としちゃった・・・・ごめん。驚かした?
「私は・・・」
「ユウミさん,その人何も覚えてないみたいなのよ。」
その人の言葉にかぶせるようにしてズィーゲ先生が言う。
「魔力は高そうですね。」
おばあさんが口を挟んできた。おや?
「フィールドさん。あなたもそう感じますか?」
ツィーゲン先生がおばあさんに話しかけたよ。
「ええ。凄く感じます。まるで・・・」
「まるで?」
ズィーゲ先生が聞き返す。
「あの子みたいに。」
「あのこ?」
スシュが聞きとがめる・・・
「母親のことか?」
「ええ。そう。あの子のような力を感じるんです。」
母親。つまり,もいちゃんのことだよね。でも,彼女は今,ヴーハイト山にいるはず。
「でも・・」
「あの子だとは言いませんよ。あの子は間違いなく山にいますから。ただ・・・」
「ただ?」
「あの子の守りがこの人の周りにあるような気がするんです。ちょうど,スシュの周りにあるように。」
・・・
「俺の周りにあいつの守りがあるだって?」
スシュが驚愕の表情をしているよ。おや。知らなかったのかな?
「そうですよ。」
ズィーゲ先生も口を出してきたよ。
「スシュの周りには,ほんのり温かなヴーハイト様の守りが感じられますよ。」
ツィーゲン先生も後を続けたけど・・
「それは,なぜか,最初から,ユウミさんにも感じられるんです。」
・・・・
私にも驚きだよ。もいちゃん。いつもあたし達の膝の上でごろごろ喉を鳴らしてたけど・・・家族皆に守りを付けてくれてたのかな?それにしても・・・簡単にこっちに連れてこられちゃったじゃないさ・・・ あ。まてよ。その気配で,ティガーノさんやジル達にとってもこっちに引き寄せやすくなってたって事もあるかな・・・
「・・ウミ・・ユウミ!!」
はっ・・・何回か呼んでたみたい。ごめんよ。気が付かなかった・・・
「なに?」
「おまえ・・・俺の母親を知ってるのか?」
知ってるか?いや。私が知ってるのは猫だ。
「ううん。」
「じゃあ何故・・・俺の母親の守りがあるんだ?」
「さあ?」
さあとしか言えないよね。
「おまえって絶対何か秘密を持ってるよな?」
追求の姿勢になってきたね・
・・・
「あら。女はいつも秘密を持ってるものよ。」
ズィーゲ先生。フォローをありがとう。
「まあいいさ。これが一段落したら・・・」
「一段落したら?」
「皆吐いて貰うからな。」
「まあ・・・こわい・・・」
思わず茶化しちゃった。
「スコティッシュ,女の子を脅すなんて。」
おばあさん。ありがとう。
「そう言えば,スシュのおばあさん。この学校の関係者の方ですか?」
「おお。ユウミさんは初めてだったな。この方は,ヴーハイト様の母上。つまり,スコティッシュの祖母に当たる方で,空術師協会の会長さんだよ。」
空術師協会・・・どっかで聞いたなあ・・・
「空術師協会・・・えっと・・」
「天気を司る魔法省だ。」
「ああ。それそれ。ど忘れしちゃった。」
どんどんぼろが出るよね。黙っとこ・・・
おばあさんは,食事の後,家から必要な書類を探して来るって言って戻ってった。忙しい人なんだって。なるほど・・・スシュが寂しがり屋さんの訳だ。
「何か言ったか?」
「いえいえ・・・」
でも・・・そしたらティガーノさんにとってもお母さんなの?????れ?
その後,私達はお風呂に入ってさっぱりした。
「なんか久しぶりのお風呂。すっごくよかったぁ・・・」
「そういやおまえ,ずっと魔法で清浄してただけだもんな。」
「清浄してたって,お湯に実際入るのと違うからねえ・・・」
「まあそうだな。ちょいとおまえには不自由な生活だもんな。」
「早く終わらせたいよ。」
読んでくださってありがとうございます。
・・昨日うっかり更新し忘れました。顛末は,活動報告に書いてあります。お時間がありましたら,目を通していただけるとうれしいです。
更新の時間を今回から16:00に変更します。
1日おきの更新です。次回は26日になります。
面白かったり,面白くなかったり,誤字があったり,矛盾があったりと,いろいろ感想がおありと思います。コメントや感想でお知らせくださると嬉しいです。




