81 どこへとは聞かないよ。
私達は,自分の影をそれぞれ残し,城の前に姿を隠して立っている。ちょっと武者震いしちゃうね。
『ユウ,便所か?』
ちょっと!!!花の乙女に何を言うか!!!
『え?おまえ乙女だったのか?男の間違いじゃねえ?』
きっちりすねに報復を受けたスシュは悶絶してたけど・・・知らん・・
ローティが手の平に丸い物を乗せている。これが潜入していた影だそうだ。この子が行く先まで案内してくれる。私達は丸くなってお互いに触れていなければならないそうだ。
なんだ。早い話が手を繋げばいいんじゃないかな?手を握ったら,ローティはにこにこしたし,もう片方をスシュに繋いだら速攻振り払われた。なんなんだ?赤くなってる。変な奴。いいよ。私はボルフ先生と手を繋いだ。
ボルフ先生が,
『スシュ,早くしなさい。』
って言わなきゃ,ずっと固まってたんじゃないかな?スシュはボルフ先生のもう一方の手と自分の手を繋ぎ,もう片方はローティの袖に捕まった。そっちの手の平には丸い影がのっかってるからね。
そういや・・・この国にいるって言うスシュのお父さんとお母さん。どこにいるのかな・・・
転移した先は砦の中だった。
『ここは?』
『おそらくジルバニアとの国境の辺り・・・グリューランドとの境・・・と見た。』
ローティはこともなげに言う。私は全く地理が頭に入ってないから,聞いても胴でもいいやっておもちゃうよ。でも・・・迷子になったら絶対帰れないね・・・あれ?帰るってどこに?
『ユウ,ぼんやりしているな。』
スシュ。偉そうに。
『すでに侵入は気付かれていると思って良いぞ。』
ってローティが安心できない情報をくれる。
『普通の人には分かりませんよ。』
ボルフ先生ありがとう。
『ここの地下に,おそらく鍵を握る人物がいる。』
ふうん。
『とりあえず,地下に行こうよ。』
『簡単に言うな。』
スシュが言うから思わず聞いちゃうよ。
『なんで?』
『地下にある者の正体を影が探っているかもしれねえから。』
・・・
『うむ・・・』
はっきりしないね?
『女性だ。多分。』
『・・・?多分?』
『多分な・・・それで・・眠っておる・・・』
まあ夜なら寝るわね。
『え?眠っていても私達の侵入が分かるの?』
『うむ。』
・・・
『来た。』
なにが?って聞くまでもないね。武装した集団がやってきたもんね。
『静かにじっとしていろ。おそらく奴等には見えないはずだ。』
『でも。探知機のような物を持ってるぜ。』
『大丈夫じゃ。龍の守りじゃ』
なるほど・・・確かに去って行くね。
『行くぞ。』
どこへとは聞かないよ。地下室だよね。
次回は19日の予定です。




