79 いよいよドンケハイツが動く。どうやってどんな形で?昼のうちに?夜に入ってから?それともすでに?
原因の分からない病気が発生したと言うことで,大会は1週間延期されることになったんだ。その間,もし広がる病気なら,城外に出してはいけないと言うことで,城からでてはならぬというお達しもでた。良心的だ。
夜のうちにあたし達は動き回り,倒れている者達の中の種を植えられている者を探しだし,1つずつ始末して回ったんだ。え?嫌だなあ。始末って殺して回った訳じゃないよ。種を取り出していったって事。
大物はウサミさんが始末したけど・・・・初めて始末するとこ見てびびった・・・
口の中にネズミみたいなものを投入するんだもん。
そのネズミは体内を駆け巡って種を引っ張ってくるんだ。出口はやっぱり口。おえ~~~ 。本人も嘔吐いてるけど,見てる方もつられて嘔吐くよね。
ローティの種をはき出させる方法は至って野蛮だった。お腹を殴る・・・口から出る・・・これも見たくない。
ブラウは,手を腹にかざし・・・・腹から種を浮かせていた・・・これは腹が,異様にに盛り上がってきて・・・根っこまでずるずると盛り上がっていくのがイリュージョンを見てるようだったわ。これならいくらでも見ていられるし,やってみたいなあ・・・
私とスシュは,取り出した種の回収をした。回収した種は,動いてるんだよ。その種を例の,「ごみ置き場に直行している」というゴミ袋にスシュが次々に投入していく。ゴミ箱がどうかなるんじゃない? って思ったけど,魔法省の者がごみ置き場に待機しているそうで,大丈夫なんだって。ふうん。
ウィン達は,王となにやら打ち合わせていた。多分王は,ローティとブラウの正体が分かってるよね。丁寧に話すもんね。
種は30個以上あった。つまり,30人以上が操られていたって事・・・ まだまだいそうだって。これだけの数を操れる者って・・・・すごいね。
そうそう。病気で種が消えたってことにすれば,ドンケハイツが動き出すに違いないってことで,種がなくなったことをわざと錯覚させなかったよ。ついでにグローサーの方も,錯覚させてたのを解いたって。
「一番困るのは,種を抜かれた者じゃなくて,そのひとたちに心酔して従ってきた者達の事だと思うんだ。種なしで,酷いこともしてきた訳でしょう?どうやってケアしていくんだろうね?」
私の言葉にスシュも考え込んでいたよ。
ちょうど側にいたローティとブラウも・・・
「そうじゃな。人の心は複雑故に・・・」
って言葉を濁してた。
考え込んでいたら,
「大丈夫。きっと王達が良い方法を考えてくれるわ。」
ウサミさんが聞いていて,応えてくれた。
バルは?その辺で倒れている者をおんぶして医務室に運ぶ仕事をグローサーと一緒にやってたよ。
きっと具合が良くなった頃には,皆,憑き物が落ちたようにすっきりといい人に戻ってると良いね。
明け方・・・44個の種を抜き終わり,あたし達はいったん引き上げることにした。
いよいよドンケハイツが動く。どうやってどんな形で?昼のうちに?夜に入ってから?それともすでに?




