目
『グローサーの言葉は信じていいの?』
『うむ。種を取り除いてあるからな・・・』
『もしかしたら,そう言う秘密を知ることが出来そうな奴だから,種を植え付けられたのかもな・・・」
なるほど・・・
『もしかしたら・・・ローティもブラウも5階の秘密は分かっているんじゃないの?』
私が言ったら,
『さわりはな・・だが。』
って言うんだよ。さわりって何?考えてたら,スシュが問い返したよ。
『だが?』
ウサミさんが教えてくれた。
『古の魔法がかかっているのよ。』
『古の魔法とは?』
バルが聞く。バルも初耳なのかな?
『我々龍の魔法とも違う。もっと昔からある魔法じゃ。』
『それってもしかしたら,種もその仲間って事?』
『そうね。種も古の魔法の力を使ってあると思うわ。』
『ウサミさんなら簡単に解けるんじゃないの? 』
ブラウが皆の前にお茶を置いた。
「飲んで。」
「いや。俺はいらん。」
ウィンが言う。
ブラウはにっこり笑って,
「これから5階に侵入するのだろう?だったら飲まねば駄目だ。」
って言ったから,ウィンとヴェッターとグローサーはうろんな目つきでブラウを見返してるね。
「このお茶を飲むと,壁に溶け込めるようになるの。」
ウサミさんが口を挟んだ。
「へえ。そりゃ便利だ。」
スシュがさっさと茶碗を持ち上げ,飲み始めた。
「熱っ」
「私ももらおっと。」
私も早速1個茶碗を持ち上げて,ふうふうと吹く。
「得体の知れねえもんを・・・大丈夫なんか?」
ちょっと良い香り。
「大丈夫だよ。ブラウとウサミさんが変なモノくれる訳ないもん。」
「ユウがそう言うならな・・・。」
3人とも慎重に茶碗を持ち上げる。バルも。
「そこの3人は飲まねえのか?」
「そのお茶は私が作ったの。もう飲んであるし,壁に溶け込む術は身についてるわ。」
ウサミさんがにこにこして答えている。何でも出来る人だよねえ。ウサミさん。
・・・
「そろそろ行くぞ・・・」
全員お茶を飲み終わり,立ち上がる。ブラウが手を一降りしたら茶碗が消えた・・あんまり魔法に触れたことがないのかな。3人とも目を剝いてた。
「見本を見せるから,後を付いておいで。」
ブラウが壁に手を着く・・と手はみるみるうちに壁に・・そのまま飲み込まれるように消える。
「早く。」
私がまず手を壁に付くずぶずぶ・・・沈んでいく感じ。気が付いたら何だか透明な場所にいた。前にブラウがいる。次々に入り込んでくる。こんなに大勢で良いのかな?
『大丈夫じゃ。』
「ここからは声は決して出さないように。手で触れ合えば考えが伝わるから。」
それは便利だけど・・ろくな事考えなさそうだからね・・・
透き通った道を2列になって歩く・・・壁ってこんなに広いの?
『魔法でそう感じるだけじゃよ。実際分厚い壁ではあるがの。』
壁の左右は部屋だったり,廊下だったり,階段だったりしたけれど・・・
気が付けば,誰もいない部屋が続く場所に来ていた。やがて先頭のブラウとウサミさんが立ち止まる。
手を出してきたので全員ウサミさんの手に触れる・・
「この先に番人がいる気配がするの。この番人をまず怪しまれないように何とかしなければ行けないんだけど・・・ウィン。あなたの腰にある剣は,あなたの私物でしょう?」
ウィンが頷いた。
「その剣が番人をおとなしくさせるわ。軽く触れるだけで良い。切ってはだめよ。」
「難しい注文だな。」
「さやを払わずそっと触れて見ろ。」
「気付かれないように後ろから回り込んでね。」
番人・・・って・・これ・・・一つ目巨人?寝転んでるでかいもの・・・と言うか・・・・・・生き物・・いや・・・・人?・・と言って良いのかな・・・
ウィンはそっと近づこうと・・・あれ・・・目を開いたね・・・目はウィンの動きを追ってるよ・・・まずいかな。あたしはウィンの隣に行った。あっちに行きな。あたしはこっつい・・二人で違う方に動く・・・やっぱりウィンをおってるね・・・スシュも入って来た・・・目は相変わらずウィンを追ってる。
もしかしたら・・・
あたしはウィンの手を握った。そんなに驚かないでよ。
「あんたに反応してるのか,剣に反応してるか分からないから,剣を私か誰かに渡しなさいよ。」
同時に皆にも流す。
『確かにそうだな。俺たちのことはいまいち信用できねえだろうからヴェッターに渡すように言えよ。』
ごもっとも。
ヴェッターを手招きする・・ウィンがヴェッターに剣を渡した・・・目は・・・?
次回は7日です。




