男の体は・・・
翌朝,イシュの寝顔にやっぱり仰天し,朝の仕度をこっそりする。
いくら男の体になってるとはいえ,見せるのはイヤだし,自分のを見るのもイヤだからね。うえ~~~。やだやだ・・・こんなもん・・・
トイレとか,体をあらうのも,うまく魔法でやってはいるんだけど・・。
やっぱり,お風呂はシャワーだったんだ。簡単なカーテンはあるけど,皆すっぽんぽんで歩いてるそうだ。スシュが言ってた。それを聞いて,
「ぜ~~~~ったい行きたくない。」
って言ったら,
「俺もおまえにぜ~~~ったい見られたくない。」
だとさ。ふん。見せてくれるって言ってもお断りだよ。ぷんぷん・・・
まだ起きないね。あんなに毎朝鍛錬しにいってたくせにさ・・
「スシュ,朝ご飯だよ。」
仕方ない。起こしてやるか。
揺すぶってもなかなか目を覚まさないんだ。
あんなに早起きだったのに変な奴。
・・・
スシュは大慌てで着替え始めた。私はちゃんと窓際に行って,窓の外を見ていたよ。下では,騎士さん達が何かしてるね。何だろう。ぼんやり見ていたら,荷車なんて出してるね。どっかに行くのかな。見ているうちに,何台かの車と一緒に出発したんだけど。
人も結構乗ってる感じがする。どこに行くのかな?
・・あれは?
・・何か大砲みたいにも見える。まさか?
・・・
『どうもズィルバニアからでて・・・我が国に向かうような気がするんだが。』
バルの声がする。
『それって?』
『今,ローティが影を1人潜り込ませた。報告待ちだな。』
『おい。ユウ,飯に行くぞ。』
スシュの声が割り込んできた。もう。自分勝手な奴。
『我らも今,部屋を出る。ところで二人とも,部屋に戻ってこれるんだろうな?』
・・・・・
・・・・・
私達は無言で顔を見合わせた。
『『多分』』
ふう・・・部屋を出たらちょうど二人と会った。無言で4人で歩いてたら,昨日別れた当たりの部屋から,昨日の二人が出てきた。ローティ達は,ちらっとこっちを見て,さっさと先に行ってしまった。
「おお。そいつは?」
昨日の二人に呼び止められて振り向く。
「僕の兄だ。」
「へえ。よろしくな。そういや俺たちおまえの名前知らねえわ。」
「僕も,君たちの名前を知らないよ。」
がはははは。って感じで笑う二人に嫌な気配なんてない。
『この二人は大丈夫だな。種を植え付けられないように気をつけてやりなさい。』
ローティの声がする。スシュもその一言で安心したような顔をしてるね。
「俺はヴェッター。」
槍の人が言う。
「俺はウィン」
剣の人が言う。
「僕はユウ。兄はスシュだ。」
「仲良くしようぜ。」
ほんとに人が良さそうな人達だね。この人達に種なんて植えさせないよ。
4人でテーブルを囲む。
朝からものすごい量だよ。さすがに食べきれない私に,3人して食え食えって。スシュは絶対おもしろがってるね。
昨日の説明をよく聞いてなかった私は,今日からもうリーグ戦が始まるって聞いて驚いた。
「へ?」
思わず間抜けな返事をしちゃう。
「最初に当たる奴,俺らのグループの中で,一番でかそうだし,おまえは小さいからな。」
「あいつ,練習見てたら何か・・大ぶりだったぞ。うまく懐に飛び込めば,おまえの勝算は少しはありそうだぜ。」
教えてくれるのはありがたいけど・・・不安にもなるね。
「忠告ありがとう。」
ローティからも,飛び込んで飲ませろだの,腹を殴れだのいろいろ注文があるからね。何とかして懐にね・・・ふう。
昨日と同じ競技場に行くって事で,私達はスシュと別れた。スシュに関しては心配は無いでしょ。毎朝ボルフ先生と鍛錬してたんだから。問題は私。
『ユウ。』
『はい?』
『当たっても痛くないように自分に防護膜を張っとけ。』
え。そんなことしても良いの?
『魔力も実力だ。おまえの魔力は魔力と言うより・・・ちょっと違うからな。それに,ローティの力もおまえを守る。心配しなくても大丈夫だと思うぞ。』
意外とスシュは気遣いが出来るんだね。
『ありがとう。』
私はここは素直に御礼を言った。
『ふん』
その,「ふん」がなければもっと良いのにさ。
読んでくださっている方,ありがとうございます。
なんか変だとか,気付いたことがありましたら,教えてくださるとうれしいです。
次回は23日です。




