その朝は・・・
翌朝,ううんっと伸びをした私は,隣のスシュにびっくりした。
「わっ」
思わず上げた声にスシュも目が覚めたみたい。
近い・・・何でこんなに近くに寝てるんだ?あたしのびっくり顔を見ていたと思ったら,また目を瞑って寝てしまった。なんてねぼすけな奴・・え・・
・・・あ・・・反対側を見たら,ブラウがいた。ふう。一瞬焦ったわ。
「こんなことで焦っていてはこれから先が思いやられるぞ。」
ブラウが言って立ち上がる。ブラウは一応横になってはいたけれど,眠っているというわけではないそうだ。
・・・
「瞑想の時間じゃな。」
へえ・・・ローティもそうなのかな?
「ローティもじゃ。我らは人の言うところの睡眠はあまり欲しない。眠る時は1000年2000年じゃからのう・・」
桁が違うね。
「面白そうなこと言ってますね。」
ウサミさんが起きた気配がする。
「おや。スシュはまだ寝てるのね。」
「毎朝,武力鍛錬して早起きしてるはずなのに,変だわねぇ・・・」
あたしがつぶやいたら,ウサミさんが笑っていた。
「単に女の子の横だから,緊張して眠れなかっただけじゃないのかしら?」
・・・・・
そうかなあ?こいつ,女の子の隣で目を覚ますことって,沢山あるんじゃないのかなあ?あたしの心の声が聞こえたみたい。
「我はそうは思わぬぞ。」
って・・へえ?
「こやつは,ユウミと同じくらいに真っ白だと見た。」
えええ~~~~あたしが驚いていたら,ブラウは,
「まあ。こやつの言いたいように言わせてやるがよいぞ。悪ぶりたいのじゃからな。」
って。ぶふふふ。ジル。あんたのいとこはそんなに悪じゃないみたいだよ。
「とりあえず,明日からあなたとスシュはイヤでも一緒の部屋だからね。ユウミさん,決して男装を解くんじゃないわよ。」
「言われなくてもそうしますよ。周りに誰がいるかも分かんないんですもん。」
「お風呂も一緒に入らなければならないかもしれないわよ。」
・・・えええええええええええええ~~~~~~
私が絶句して立ちすくんでいたら,
「冗談よ。ちゃんとシャワールームは個別でしょうよ・・・多分ね・・・」
ってウサミさん・・・多分ってとこが怖い・・・
「トイレは大丈夫になったので,この際お風呂も入らなくていいように,浄化の魔法も教えといてください。」
ちゃんとお願いするのも忘れない。いっくら男の体に化けてたって,中身は花の乙女だぞ。そんな混浴なんて恥ずかしいこと出来ません。
がやがやしていても,全然起きないね。
「スシュ,スシュ,起きろ!!!」
ブラウがたまりかねたのかな,耳元で怒鳴ったわ・・・
「う・・・う・・・」
わあ!!!!って声とともに起き上がったイシュは,私達3人を見て固まっていた。ははは。ねぼすけめ。
朝ご飯に行ったら,もうバルとローティはあらかた食べ終わっていたね。まあそうだろうなあ。ここで打ち合わせが出来ないね。
『この宿に泊まっている者の大半は,城に行く者達だ。』
後の家族はここに逗留するらしい
『じゃあ。残留組はここで情報収集といくかのう。』
『それが良かろうて。後で,カッツェと連絡を取ってここに来るよう伝えておく。それでいいか?』
『良かろう。』
・・・・・・・
簡単に,ほんとに簡単に打ち合わせて,食べ終わった二人は出て行った。
『おまえ達。誰かと一緒に来ないと,また道に迷うぞ。』
・・・・・二人とも何にも言えなかったよ。
「さっさと食え。」
「誰のせいで遅くなったと思ってるのさ。」
いがみ合いながら食べるご飯は美味しくない。当たり前だね。平常心・・平常心・・




