行列の・・
馬車が止まった。広場のような所らしい。
3組の家族はここで降りる。
「先に降りてください。僕たちは迎えを待っていますから。」
私達を心配そうに見てくれる試験を受けに来た人達に丁寧に説明するよ。
「大丈夫なの?」
「ええ。」
・・・・・
皆降りた後,馬車はゆっくり動き出すけど,
『二人とも20才くらいの男に変身しなさい。』
『え・・私も?』
『まさか一人で待ってる気か?』
・・・それも嫌だな。
『魔力がダダ漏れにならないように,気をつけなさい。』
『『はい。』』
・・・・確かに・・一人で待つのも嫌かもしれない。でも男ですかあ・・・
ふわりと目の前に紙が2枚落ちてきた。推薦書らしい。封がしてある。
ズシュのと私の・・どっち?
『スシュのはスシュ・ブラウ。ミユのはユウ・ブラウにしてある。』
『双子設定で良いんですか?』
『部屋を同じにして貰うにはそれが良かろう。』
『えええ・・・やだ。』
『俺だって嫌だ。』
『二人とも自分のことはひとまず置いておきなさい。』
・・・
馬車はまた止まった。
『さっきの家族が,こっちにむかってきているようだ。ここらで降りて待っていて,さりげに後についていくがよい。』
『ブラウは?』
『案ずるでない。』
『行くぞ。』
『はいはい・・・』
素早く降りた私達は,程なくさっきの家族を見付けた。知らん顔して後をつける・・・しかしこの家族あっちを見たりこっちを見たり・・・きょろきょろと落ち着かない・・・
『まるでおまえだな。』
むかっ。・・ブチッとやってやろうか・・・
剣呑な表情が分かったのかな・・びびってるんだけど・・・落ち着け落ち着け・・・
家族連れがしているように,私達も屋台で食べ物や飲み物を買って食べながら移動する。
『トイレに行きたい。』
『無理だな。』
・・・・・
お腹の中の重いヤツをどこかのトイレに捨てるイメージをしてみた。お腹がすっと軽くなる。どこのトイレに行っちゃったのかな???まあいいや。これは便利だ。男の格好をしているからと言って男用のトイレに入るのもイヤだしね。
・・・・
『・・・ところで・・・推薦書が文官のものか武官のものか聞いてなかったね。どっちだろうね?』
私は話題を変えた。
『武官だろう。』
『えええ・・・』
『なんだ?嫌なのか?』
『自信ないから,嫌に決まってる。』
『へえ?!武官より文官だってのか?』
『ぐ・・・』
ぐぬぬぬぬ・・・・くそぉ・・・反論できないのが悔しい。
『おい。曲がったぞ。』
おっと・・・・
『あれ?』
前に見える背の高い男・・・雰囲気からして
『ローティじゃない?』
『隣にいるのはボルフ先生だな。やっぱり同じことを考えたのか。』
『ローティ?!』
『おお。』
ローティは振り向かずに答える。
家族連れは急にスピードを上げた。何だ?行く先に行列が出来てる。アレが受付の行列かな?長い列だね。多分長い列だから,一刻も早く並ぼうと思ったみたいだね。
『知らん顔して行くぞ。』
『分かってる。』
列の後ろに着いた家族連れの後ろに,ローティとボルフ先生。その後ろに私達は並んだ。
『うまく国境を越えられたようだな。』
『うん。ローティ達もうまく入れたみたいだね。』
『ウサミさんは?』
『広場で待機してる。ところで,ユウミも試験を受けるのか?』
『うん。ブラウに行けって言われた。』
『ほう・・・』
列は少しずつ短くなっていく・・




