潜入・・・だよね。
車でホテルを離れる・・・
町から出てまず,昨日の場所へ移動する。
午前中なので,結構行き交う人がいて,なかなか影に行けないね。
ローティが業を煮やして,なにやらつぶやいてた・・・と・・・私達は昨日の所にいたんだけど・・
「ちょいと錯覚を起こして貰ったぞ。」
なるほど・・・
木の影でローティは早速バイクに変身。昨日のよりさらにバージョンアップしてるんじゃないの?なんか・・なんか・・・○○ライダーを思い出しちゃったよ・・・・・・ぶふふ
ウサミさんとバルさんはそれらしい格好に・・・皮?へえ・・・かっこいい。
乗ってきた車はウサミさんが回収し,別の小型タイプの物を出してくれた。すごいなあ・・・
「それじゃ。」
「気をつけなさいね。」
「そっちもな。」
「わかっておる。」
・・・3人は轟音と共に形の方向ヘ去って行った。ミカエルと私とスシュ,ブラウは一緒に小さい青い車に乗る・・・ミカエルは猫に変身。壁の近くで降りることになっている。
ブラウの運転で,ゆっくり車は進む。左右の農地はだんだん減っていき,草原に変わっていく。さわやかな風。初夏の風だね。今は・・・7月始めってとこかなあ・・・あああ。試合に出たかった。それよりテストはどうなったかなあ・・・落第だけはイヤだなあ。・・・帰れるのかなあ・・・・・・あ・・・落ち込んじゃう・・・考えちゃ駄目・・・
・・・・・
ほどなく国境の壁の近くに着く。よく見ると,道路をふさぐように門が出来ている。
ローティ達の姿がないから,潜入できたのかな?カッツェ・・・ミカエルはさっと窓から飛び降りた。
「にゃあ。」
「うん。またね。」
何とかして潜入し,5日後の夜に城に集合・・・できるのかなあ????
国境を守る人は10人くらいいたよ。一人はなんて言うかなあ・・・やな感じがする人だった。後の人はその人の言うことに従ってるって感じかな。
その嫌なヤツはブラウに目を付けたみたい。
「通りたくば,おまえだけちょっと詰め所に来い。」
「私だけですか?」
「そうだ。ちょっとな。まあ・・・1時間くらいだな。うまければ,何時間でも何日でも良いぞ。」
・・・・・
さすがの私も何を言いたいか分かっちゃったぞ!!!!怒ったぞ!!!
ぶちっ
「ぎゃああああああああ!!!!!!」
そいつは,突然股間を押さえて悶絶を始めた・・・・・
他の人がおろおろする中,まともそうな人が,
「さっさと通りなさい。」
って言ってくれた。ふふん。ざまあ・・・
車は国境の門から遠ざかる・・・
「ユウミを怒らせると怖いのだな。」
ぼそってブラウがつぶやく。
イシュもなんだか前を押さえて青い顔してるね。
「ぶちって音がしたぞ。」
「なんだろうねえ?」
私はしらっと答えるよ。ふん。女の敵め。あんたもいつか・・・・・
じろって見たのが分かったんだね。イシュはますます前屈みになって青白い顔になってたわ・・・ふん。
しばらく走ったところで,
「無いと思うけど,追っ手がかかるとまずい。」
って言って,ブラウが姿を変えた。今度は白髪のおばあさんの姿だよ。私は12才ぐらいの子どもに変わった。イシュも12才くらいの姿だよ。髪の色もこの国では普通の茶色でおそろいにし,双子の孫連れのおばあさん・・となった。車の色も青から黒に変える。おそらく,車はしばらく行ったら隠さなくてはいけなさそうだね。だって車の数が極端に少ないので,目立つことこの上ないんだもん・・・
車は走る・・・途中でお昼に立ち寄った町で,壁のこととか,国の中のこととか少しずつ聞いたよ。車は町に入る前に小さくしてブラウがしまい込んでいる。いかにも歩き疲れていますって風体で,町に入ったよ。
・・・
「あたしゃ。孫を預かってたんだけど,1ヶ月くらい前から,首都に行ってる親から連絡が来なくなってね。」
・・・
「だから尋ねに行くんだよ。」
そう言って悲しそうに涙ぐむ老婆・・・
大概の屋台のおじさんやおばさんや,屋台の近くを行き交う人達は,同情してくれていろいろ話をしてくれるんだ。
そういうおじさんやおばさんは,悪い種を植えられているわけじゃないから。正直に,最近特に生活が苦しいって小さい声で言ってるね。聞こえるとやばいからって・・ひそひそ声で,首都の噂話も教えてくれる。
・・・・
やっぱり,10日くらい前から急に国境に壁ができ,検問が厳しくなった上に,外国の物がさっぱり入ってこなくなった。首都に出入りできなくなった・・・大体こんな感じかな・・
さりげなく,バイクの夫婦のことを尋ねるけど,誰も見ていないって。どこに行っちゃったんだろうね?
車よりも,この辺はまだ荷馬車が多いらしい。馬車で首都方向に行く便があるらしいので,車を片付けて馬車に乗ることになったんだけど・・・
これが悪質な馬車だったんだよ。
・・・
「そんなに高いんですか?」
「イヤなら歩くんだな。」
・・・・・むかつく・・・
「ユ・・ミユやめろ。」
小さい声でスシュが言う。ふん・・・
「ではこれで。」
ブラウが石ころを取り出して渡したんだけど・・え?
「おお。良いぞ。乗れ。」
・・
何か臭う馬車に乗れることになったんだけど。
「あの石は?」
こそっと聞くと,
「本人は,お金と錯覚してますから。」
しらって言うんだよ。おいおい・・・
馬車は車輪にタイヤが着いているわけじゃなかった・・・うわっうわっがたんがたん・・・舌を噛みそうになる。よくこんなのに平気な顔をして乗れるね。
「ユウ・・あ・・ミユ,浮遊魔法だ・・・」
ぼそっと教えてくれるあたり,ほんとはいいやつなのかって思っちゃった。そしたらさ,
「けつがでかいから,いらんお世話かもしれんがな。」
一言多い!!!




