旅の途中・・
旅はおおむね順調だった・・・と言いたいけど。やっぱりあいつむかつく!!!
あの端末が実は魔力充電だったってズィーゲ先生から聞かされたとき,ちょうどあいつが側にいたんだよね。
「そんなこともしらねえのか」
むかっ。
「そうですよ。悪い?」
「いや。悪いなんて言ってねえ。」
「じゃあ何で,そんなことも知らねえのかって言うの?」
「事実だろう?」
・・・・
「何であんたが女の子に人気あるのか分かんない!!」
言ってやった。
「ふっ」
何よその笑い・・
「そんなに憎たらしいヤツなんか,私だったら願い下げよ!!!」
「お子ちゃまには分かんねえだろうよ。」
どういう意味?
なにその笑い方・・何かイヤらしいんだけど・・・まさか・・・まさかの・・・
「これ,スコティッシュ,失礼な物言いはやめなさい。」
ボルフ先生ありがとう。私までいやらしい方向に考えが行くとこだったわ。
あんまり口をききたくない・・・何か不潔な感じがする・・・そう思っちゃうよ。
・・・
と言う訳で,物陰でジルにお電話・・・
「久しぶり。」
私が言うより早く向こうで叫ぶね。
「ユウミちゃん,何でこんなに長く連絡寄越さなかったのさ!!!」
「仕方ないよ。これこれしかじかでさ・・・・」
「へえ・・・今は?え?ズィルバニア?そこってヴーハイトおばさんの旦那さんが住んでるとこだよ。」
「え?スコティッシュは知ってるの?」
「知らないんじゃないかな。」
・・・
「俺が何を知ってるかって?」
うわ・・・いつのまに・・・
「誰と話してるんだ?」
私は慌てて通信を切った。向こうにも声は届いたはず。心配をまたかけちゃうけど仕方ない。
「あんたがいやらしいヤツだって,私の友だちが知らないってことよ。」
スコティッシュは首をかしげた。
「俺の素行は皆が知ってるはずだぜ。」
「・・・・・女ったらし?」
「人聞きがわりい。」
「そうなんでしょ。」
「あっちが勝手に寄ってきて,勝手に期待してるだけだぜ。」
「それをぱくって食っちゃってるんでしょうが!!!」
・・・・・
私とスコティッシュは睨み合った。
「食っちゃってるって・・・だれが?だれを?」
何低い声を出して脅しかけてるのさ!!!
「私が知る訳ないでしょ!!!あなたがよく知ってるでしょうよ!!!」
「おまえも食っちゃって欲しいのかよ?!」
はあ?
「御免被ります!!!私はねえ,まっさらなの!!!彼にするならまっさらの人が良いの!!!遊び人なんてゴメンだわ!!!」
・・・はあはあ・・・あれ・・・何言ってんだ。私。べつにつきあってくれと言われた訳でもないのにさ・・・ あああ!!!さっさと終わらせて家に帰りたい。
ぷんぷんしながら,たき火の向こうに行ってバット(じゃないけどね)を出して思い切り素振りする。むかむかしてるけど・・降ってるうちに少しずつ気持ちが落ち着いてくる。中学の時の試合を思い出して・・あのボールはこう打てば良かった。あのときはこうすれば・・ついつい力が入っちゃったみたい・・
ズィーゲ先生がやってきて,
「ユウミさん。魔力を飛ばすのはやめなさい。向こうに誰がいるとも限らないわ。」
って言うまで,振ることだけで魔力が飛んでることにも気付かなかった。私は素振りをやめてズィーゲ先生を見た。そうしたら,先生は,
「やりたいなら,腕輪に力が返るようにすると良いわよ。」
って教えてくれた。ふうん?
「どうするんですか?」
「イメージね。頭の中で思い浮かべてご覧なさい。くるっと回って戻ってくるところを・・それからもう一度振ってご覧なさい。」
頭の中でボールのイメージが戻って腕輪に溜まっていくことを想像してみる・・・衝撃がありそう・・ないようにするには・・・戻って来たら羽になるってのは?ふわっと綺麗じゃないかなあ?
・・・・・
向こうではスコティッシュがボルフ先生と剣の練習を始めたみたい。音がしないように,結界を張ってきたってズィーゲ先生が言っていた。さすがだね。いろいろなことが出来るんだね・・・でも・・・特徴的すぎるその姿・・・潜入するときどうするんだろうね?




