野営
少し小高くなった所に2頭は降り,たちまち人型になったよ。そうだよね。龍のままでは目立ちすぎるもんね。
「もしかしたら,5つの黒い影は,夜通し走る気かもしれないが。」
スコティッシュの亜言葉に,
「我らが見張っていよう。なに。我らには休息もあまりいらんのでな。」
って言うんだ。大丈夫?
「あの木の上で見ていよう。」
ブラウまで?
「そうだな。」
うわあ・・・気になっちゃうよ。
「あの・・・ご飯食べないんですか?」
そうしたら2頭ともからからと笑ったんだけど・・
・・
「我らは人の言うところのご飯は食べぬ。」
「我らが食すのは,気だ。」
ええ~ってことは・・・?
「大丈夫だ。空気の中にも。あふれている。」
「・・・霞を食べてるってこと?」
なの?
「ほう。かの国では霞を食べると言うのか。」
え・・いや・・・仙人は霞を食べてるって・・・・あれ?仙人じゃない・・・この人達は龍だ・・・
・・・
・・・良く分からないけど,人と同じものは食べないってことね。
「飯にするぞ。火を使えねえから,今日は缶詰だな。」
二人が気の方に行ったのを見送ってから,スコティッシュが言う。
「へえ。こっちにも缶詰ってあるんだね。」
思わず返しちゃった。
「どういう意味だ?」
しまった・・・う・・う・・
「・・・でも,何で車でなくて馬?」
ごまかす。
「山道だからな。車ではシェヴァー山には登れん。いうなら,馬でも途中までだな。」
「でもこの辺は,車でも良いんじゃないの?」
「道が細い。」
・・・・ああ言えば・・・く・・
缶詰を必死で開けようとするんだけど・・・缶切りって使ったことないよ。みんな蓋ぱっかんだもん。こっちのはみんな缶切りだ・・・うえ~ん。できません。見かねてスコティッシュが開けてくれた。
「あ・・ありがとう。」
「缶詰を開けられねえ奴って初めて見たぜ。」
・・・うううう・・・すみませんねえ・・・
缶詰の中身を食べながら,
「カッツェ達に連絡出来ないの?」
って聞いた。
「やろうと思えば出来るけど・・・」
「じゃあ,連絡してみて。」
・・・・・
しばらく目を瞑っていたけど・・・
・・・
「だめだ。」
「なんで?」
「分からん・・」
食べ終わった缶をどうしようかと考える・・・
「寄越せ。」
「・・はい。」
渡したら袋を出して,その中に入れたよ。
「そのうちにいっぱいになっちゃうね。」
って言ったら,
「これは,学園のゴミ箱に直行するようになっている。」
って答えるじゃないの。
「えええ???すごくない?」
「ああ。凄いな。さすがクレバー先生考案のゴミ袋だぜ。」
クレバー先生。空間魔法の権威らしい。
「たとえば,生き物なんかも送れちゃうの?」
「いや。それはダメだと言っていた。」
いつそんなのを貰ったのかなあ?
「始めの月のごみ拾い大会の時さ。」
「そんな大会あるんだ?」
「ああ。この袋が景品だったんでな。・・・ちょっとがんばったのさ。」
・・・その微妙な間は・・・
「女の子達に手伝わせたんでしょ?」
・・・
「人聞きの悪い・・・勝手にどうぞって持ってくるんだぜ。」
・・・
やっぱりねえ・・・
・・・・・
うとうとしてたら,
「きたぞ。」
だって。はいはい・・・
私たちは素早く下が見えるところに移動した。
5騎・・・
「どうする?」
「捕まえる?」
「だな。」
私はすぐに網を考えたよ。
ばさっ大きな網が馬に・・・
あ・・危ない。すぐクッションを考える。
落ちた人はクッションの上に・・・馬は空中に・・・網ごと馬を空中に持ち上げ,脇にそっと下ろす。人には,ばっちり手錠。
スコティッシュが
「おいおいおいおい・・・」
言ってるけど,もう終わっちゃった。
・・・・・




