龍の背で
いや~!!!速い!!!風が直接,顔に当たる。息ができな~い!!!苦しい~!!!
私は顔を下げて布の中に入れた。ふうふうふう・・・はあはあはあ・・・
絵本とかで見る,かっこよく龍に立って乗ってる人って,人間じゃあな~い!!!ありえな~い・・・
風は容赦なく吹き付けるし,髪はざんばら・・・ちろっとスコティッシュの方を見たら,あれ?平気そうだ。なぜ?
何か言ってる。聞こえな~い
はあ???
・・・・・き・こ・え・ま・せ~~~~~・ん
・・・・
「魔法を使え!!!」
わっ驚いた。耳元で声が聞こえた。これも魔法かあ・・・
・・・うん。
「魔法で自分の空気を確保しろ。」
そうか。魔法で空気の抵抗をどうにかすれば良いのか・えっとえっと・・・どうするのさ!!!分からないわよ。言うんなら教えろってんだ。
・・・う・・う・・・・・ばりや~・・・昔のギャグだ・・・ふっ
・・でも空気は,私を避けて左右に流れるようになった。バリヤ~でいいのか?まさか・・
・・・息が出来る・・・ふう。髪の毛を素早くとかす。
ローティの声が,不意に頭に響いてきた。
「少しは,周りを見る余裕が出来たか?」
心配してくれてたんだ?
「うん。さっきは息が出来なくて・・・」
私の言葉に,
「ふぉふぉ・・・」
って・・・
「笑い声なの?それ?」
思わず突っ込んじゃうよ。
「そうだが。」
「じじ臭い。」
しまった・・・
「・・・・・」
あ。黙った。
おほん・・・木を取り直して,
「何で会話出来るの?」
って聞いてみたよ。そしたら,
「念話だな。」
って。
「念話?」
「心の声がダダ漏れって言ってただろう?」
「ああ。そう言ってたよ。」
「それに近いが,届かせたい相手にだけ,自分の声を届かせることが出来るのさ。」
・・・テレパシーかな?
「そのテレ何とかがなにかは知らんが,念話とか,心話とも呼ばれているぞ。」
まだそういう勉強までやってないって。まだこの学園に入って9日目じゃん。
・・じゃあ,スコティッシュとかも念話が出来るんじゃないのかな・・・さっき声がすぐ近くで聞こえたもんね。
「スコティッシュ?」
呼びかけてみる。
「おう・・」
「聞こえるんだ?」
「おう。ただな,送る相手のことをしっかり思い浮かべてやらねえと,別の奴にも伝わっちまうから気をつけろ。」
ほうほう・・
「ありがとう。他に気をつけることはない?」
「落ちるな。」
・・・・・
「心配してくれてるんだ?」
「ち・・違う!!!落ちたら俺が拾いに行かなきゃなんねえだろう!!!面倒だからだ!!!」
ほうほう・・・
不意に気が付いちゃったよ。
「ねえ。私たちの方がカッツェやボルフ先生より早く着いちゃうんじゃないの?」
・・・・・一瞬沈黙したね。考えてなかったんだね。
「そう言えばそうかもしれないな。」
「途中で合流した方が・・良くない?」
「そうか・・・そうすれば,何が原因で追ってるのか分かるな。」
「おい。ブラウ,ローティ。」
「聞こえているぞ。」
「なに?」
「実は,・・・」
話を聞いた後,ブラウがこともなげに
「おや。さっき追い越したのだが。」
って言ったよ。
「そうだな。あの黒い点はあの二人だったのか。」
ローティものんびり答える。
・・・・私は呆れてしまったよ。
・・・
「彼らの前の方に,別の誰かがいなかった?」
ついでに聞いてみたら,
「いたぞ。黒い点が5つ・・・いずれも馬に乗っていたな。」
だって。見つけたら,早く教えて欲しいよね。
「なんだ。見かけたなら教えてくれれば良いのに。」
スコティッシュが言ったよ。同じことを考えたんだね。
「どうする?」
って聞いたら,
「とりあえず降りよう。もうじき夕方だし。
・・野営の場所にちょうど良いところに下ろしてくれないか?」
って。おや。意外にきちんと頼めるんだね。この人。




