9日目の朝 2
「とにかく,学園長に相談しなくていいの?」
私の言葉をスコティッシュは一蹴した。
「奴らに何を言えって言うんだ?」
いやいや。言わなきゃダメでしょう?
「ボルフ先生とカッツェが,多分だけど,悪い奴の後を追っていったってこと?」
「学園長なら,とっくに把握しているはずだ。」
そんなに吐き捨てるように言わなくたって。
「じゃあ・・・応援を頼むため?」
「応援もとっくに後を追っているさ・・・」
「えっと・・・えっと・・・」
言うことなくしちゃうよね。
・・・・・
困っていたら,クレバー先生がいきなり現れた。
「朝ご飯ですよ。」
もうそんな時間だったのか・・・
「ボルフ先生とカッツェの心配をしてるんでしょう?」
私はクレバー先生を見て頷いた。
「そのことも含めて,1時間目から学長室にいらっしゃい。スコティッシュ、あなたもよ。」
・・・
逃げだそうとしていたスコティッシュの背中にクレバー先生が言う。
ちっ
舌打ち?今舌打ちした?
「逃げちゃだめよ。あなたのためにも。ユウミさんのためにも。」
「ふん・・・」
クレバー先生は私をむんずと捕まえて転移した。
飛ぶより確かに早いから・・・私も転移を覚えたいな。
「私も転移を覚えたいです。」
そう言ったら,
「あら。あなたは出来るはずよ。召還が出来るんですもの。」
ってこともなげに言われちゃったよ。
「ええ?どうやって?」
驚いて聞き返した私に,
「行きたいところが分からないと出来ないのよ。行きたいところをはっきり頭に思い浮かべて・・・そこに行きたいとユウミさんの場合は願えば良いのよ。」
って教えてくれた。
「行きたいところ?分かっているところ?」
じゃあ,家に帰れるんじゃないのかな?
「そうよ。知らないところはだめなのよ。それこそ変なところに出て,壁に埋まってたりしたら,困るでしょう?それから」
って玄関を開けながら,にこにこして言ってくる。
「この世界の中でだけの通用だと思うわよ。よその世界に行って宇宙空間に出ちゃったら困るでしょ。」
壁から手足だけが,にょきっと出てるところを想像しちゃった。嫌だな。絶対嫌だな。宇宙空間・・・空気ないよねえ・・・でもいつかできそうな気がするよ。・・・
そのまま二人で食堂へ行った。
そしたら挨拶ももどかしそうに,何人も私の側にやってきて聞くんだよ。
「「「カッツェは?」」」
仕方なく・・・
「ちょっとお出かけしてるの。」
って教えてやったら,
「お使いさせてるんだあ?」
「さてはケーキの調達に行かせたな?!」
って・・・私は鬼畜ですか?
わいわいがやがや・・・いつもより賑やかだね。
「席に着きなさい。」
クレバー先生が静かに良く通る声で皆に呼びかけたよ。
・・・・・
クレバー先生の合図で祈った後,皆,静かに食事を始めたよ。やれやれ・・・




