8日目の訓練
魔法の訓練って何をするんだろう?
ひょいと渡されたのは, 手の平サイズの紫色をした,六角形の結晶だった。あの大きな水晶のことを思い出しちゃう・・・嫌な顔をしたのが分かったんだね。ズィーゲ先生がクスッと笑った。
「大丈夫よ。美優さん。そのまましばらく乗せていてね。」
軽いと思ってたけど・・・時間がたつに連れ・・・重い・・・
私が顔をゆがめていたら,
「重さを感じないようにしてご覧なさい。」
って言うんだ。え?どうするのさ?
「願ってごらんなさい。」
願う?
「何に?何を?」
分からないことは聞きましょう。だね。
「腕輪に。重さを感じないようにって。」
腕輪ですか?神様じゃなくてね・・・
・・・・・・
不意に重さがなくなった・・・・・軽い・・・いや・・・見ていなければ,何ものっていないと思うところだ。何か手の平に触っている・・・そんな感覚だ。
・・・
私の驚き顔を見てズィーゲ先生はうれしそうだった。
「もう良いわね。」
水晶を受け取って片付けながら,
「このテーブルを持ち上げてご覧なさい。」
って言う。
石のテーブル・・・重そうだわ・・・無理・・・
「大丈夫。もう持ち上げられる。」
言われるままに手を掛ける。
・・うん・・・力を入れて持ち上げようとしたら,後ろにテーブルごと倒れてしまった。重くない。テーブルごと立ち上がり,もとどおりにする。
驚いた。でも?
「重さを感じないって,何か良いことあるんですか?」
「さあ?」
は?さあって?
「でも,これで願い方がよく分かったんじゃないの?」
涼しい顔で言うんだ。は?
「いや。昨日ので十分分かりましたから。」
「昨日?」
「はい。」
・・・
昨日の話をしたら,話が進むにつれて,ズィーゲ先生が興奮していくのが分かった。
「見せてちょうだい。」
「何をですか?」
「またとぼけたことを!!!
龍よ。龍!!!」
「ここで?教室が壊れちゃいますよ。」
「んなことどうでもいいわ!!!早く!!!」
いやいやいや・・・私はどうでも良くありません。
「カッツェ!!」
わたしがさけんだら,真っ赤な猫のカッツェがぴょ~んってやってきたよ。
「とりあえず,カッツェです。」
ズィーゲ先生に紹介する。
「にゃあ」
ズィーゲ先生はカッツェをじ~っと見て,手に持っていた水晶を投げつけた。酷い!!カッツェは,くるんって回って男の子になった。
「酷いですよぉ。なんで物を投げつけるんですかあ!!!」
「おお,おお,かわいいかわいい。」
すりすり・・・先生。それ,男の子ですよ。猫じゃないですよ。
カッツェも交えて魔法の訓練は続く。カッツェとの連携も出来るってことに気が付いた。カッツェは火を扱うのが得意なんだね。紅の龍は炎と何だろうね。
腕輪がちりちり鳴った。
「我は炎と爆風,結界魔法が得意だな。他にもいろいろ出来るがな・・・
碧のは水・氷・風・封印が得意だな。もちろん他にもいろいろ出来るがな。」
ふうん。カッツェは?
「やつは火・熾火・種火・噴火・点火・鎮火・・・・ってところか。」
カッツェはズィーゲ先生となにやらやりとりをしている。
そのうちにくるんって回って,猫に戻っていた。
「さあ。そろそろ時間ですね。明日も同じ時間にいらっしゃい。明日は学長も一緒ですよ。」




