20 魔力の実?
教室に帰ったら3時間目がちょうど終わる時間だった。よかった。4時間目には間に合った。でも・・・これはこれで・・・女子の目線が痛い。私何も悪いことしてないのに・・・スコティッシュのせいだ。
・・・・
お昼。いつものように定食を食べていると・・・緑色の髪の毛ととがった耳を持つ女の子が私の前にやってきた。だれ?
「ちょっと・・・」
私に何か用?
「はい?」
その子は敵意も何にもないみたい。
「ズィーゲ先生がお呼びです。ご飯食べたら行ってね。」
呼び出し?
立ち去ろうとするから慌てて呼び止めた。
「ああああまって・・・どこに行けばいいんですかあ?」
そうよね。行く先が分からなくちゃ。
「研究室よ。」
は?研究室?どこにあるの・・・あ・・・
・・・・行っちゃった。
分からないよ。それだけじゃ。
「ふう・・・」
思わずため息だよね。
「何ため息ついてんの?」
タップが食べかけの定食から顔を上げて聞くから・・
・・・
「笑わない?」
「笑わないわよ。」
タップが厳かに言う。
「私も・・多分。」
フローがすでに笑いを含んだ声で言ってるし・・・
「ふう・・・私,この学園の中で,・・・まだ・・一人で・・どこにもたどり着いたことがないの・・・」
「はあ???」
呆れられてしまったよ。
「探索魔法を使ってみたら?」
エレが言ってくれた。なるほど・・でも・・・その魔法って・・どうやって使うのさ?
「あれ?それってまだ私たち勉強してないよね。」
タップが言う。エレはしらっとして,
「ユウミなら出来るんじゃないの?」
って・・無理。使ったことないもん。
フローが,やれやれ・・・という感じで,
「仕方ない。連れてってあげるよ。」
って言ってくれた。ありがとう。 でも,本気で探索魔法とやらの使い方を勉強しよう。
研究室の前まで送って貰った私は,フローに御礼を言ってからノックをする・・・
「どうぞ。」
かちゃっ
中に入りながら,フローに手を振る・・・心配そうに見ているんだもん。さすがにドアの前で迷わないよ・・・多分。
中に入った私は驚いた。ズィーゲ先生の他に,学長のツィーゲン先生,それから担任の ベアーズ先生,モル先生にクレバー先生までいたから・・・。
「私,何か悪いことをしたのでしょうか?」
思わず聞いちゃった。
「いいえ。」
「まあ座りなさい。」
学長先生が言った。
私は,丸テーブルに着いていた学長先生の指し示す椅子に座った。先生方も全員席に着く。何だろう?
「これから,あなたの特訓の日程を組むために集まっていただいたのよ。」
はあ?特訓?
「なぜですか?」
「実を食べたでしょう?だからよ。」
クレバー先生が言う。
・・・・・
「今までの実を食べた人も特訓したんですか?」
・・・・
先生方は,顔を見合わせている・・・
「あなた方が噂しているようには,あの魔力の実は滅多に出ないのよ。」
クレバー先生が代表してしゃべることにしたのかな・・・
「?」
「噂では・・年に1個って言われてるでしょう? 違うんですよ。10年に1個出るかでないか・・・。」
学長先生も言い出した。
「はあ・・・」
「この学園では,15年前までは毎年,実を生徒の食事に供していたんですがね。」
「100年のうち,魔力の実に当たったのはただの二人・・・」
ズィーゲ先生がつぶやいた。
二人・・・多いのかな・・少ないのかな




