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むかつくあいつは・・・・・  作者:
第2章 歩く
17/100

17 腕輪

ツィーゲン先生?どうしてここに?

「やあ。美優さん。今聞いたのでね。」

え?

「早いですね。」

まだ話したばっかりだよ。どうやって聞いたの?

「なに。この授業はわしが持ってるのさ。」

ええ?!知らなかった。

何でも魔法実習の1年目は事故が多いので,学長自ら教えているんだそうだ。ふうん。

「ここの会話もわしには聞こえているのさ。」

え?盗み聞き?

「おいおい。人聞き悪いのう。」

「でも・・・盗み聞きですよね。」

ここははっきりさせとかなくちゃね。そしたらツィーゲン先生は苦笑してたよ。


「どれどれ・・・」

それから私と水晶をじっと見比べてるんだけど・・・


ふうむ。

「何か分かるんですか?」

じれったいねえ。


「ふむ・・・」

そこにバタン・・・またドアが開いた。別のドアだね・・・あれ・・・

「父上」

ズィーゲ先生までやってきたんだ。


「おお。ズィーゲか。」

「こんなところで何をしてるんですか?」

ズィーゲ先生はつかつかと水晶の所までやってきたよ。


「この水晶が過去を見せたと聞いたのでな。」

ズィーゲ先生が水晶の側に来た。それからじっと水晶を見てツィーゲン先生に向かって

「影ですね。影。」

って言ったんだ。影?

「ほう?」

ツィーゲン先生も首をかしげてるよ。


「ただの影・・・思いの強さが影となって残っていただけですよ。残像にしか過ぎません。恐れることはない。」

本当に?やけにリアルだったんですけれど・・・

「影響はありませんよ。」

「そうだな。」


・・


「二人で納得してないでくださいよ。」

見かねて口を挟んじゃった。

「あら。ユウミさん?」

え。今,目に入ったの?


「ちょうど良かったわ。杖が出来たのよ。今持ってくるわ。」

ズィーゲ先生が出て行こうとすると,

「ほう・・杖なき杖の杖ふうん。わしも見せてくれ。」

何?その「杖なき杖の杖」


 ズィーゲ先生はすぐに戻ってきた。手に小さな箱を持っている。

「まず,その腕の杖を外させてね。」

・・・

ズィーゲ先生が腕輪をさらりとなでると腕輪はかちんと音を立てて外れた・・・ それからその腕輪を箱にしまう。あれ?その箱に私の腕輪が入っているんじゃなかったの?

「あの私のは?」

「はめたわよ。」

え?

 見たら腕に腕輪がはまっていた。いつの間に?

「はめてない時間を作ると影響が出るからね。」

 はあ・・・一瞬のうちに外してはめた?全然気が付かなかった。


 腕輪は銀色に輝いている。

 不思議な線の模様と綺麗な赤い石が1石・・・きれい・・・


「銀と白金が入ってるのよ。」

「ちょっと待て,この石はまさか・・・」

「あったり~」


うぬぬぬぬ・・・学長がうなってる・・・

「まさか・・・まさかの・・・」


「ふふふ。これ父上から預かってた初代紅き「杖なき杖」の魔法使いの杖の石よ。」

「ええ?いいんですか?」

「あなたには,これしかないわ。」


それから,杖の使い方を一通り聞いたんだけど・・・

「慣れるまでは,毎日午後に訓練しましょう。」

って。でも他の実習は?

「かまいません。私の権限で。」

ズィーゲ先生。

「良いですわよね。父上。」

そうだった。学長先生がいるんだった。

「勿論じゃとも。わしからも皆に伝えておこう。」

そう言ってさっさと部屋を出て行ってしまったよ。


私は慌ててズィーゲ先生に,

「でも。私何も知らないんですが・・・」

って言ったら,

「その辺りの知識の伝授は私がしますわ。」

って。本当にちゃんと教えてくださいね。



・・・・


 私が部屋を出たのは,授業もすっかり終わって,みんながもう誰もいなくなってからだった。

「すみません。私,道に迷いやすいので,入り口まで連れて行ってくださいませんか。」

 学習したなあ・・・ちゃんとズィーゲ先生に出入り口に連れて行って貰った私,

「ここをまっすぐ行けば,嫌でも寮に着くわよ。」

って言われて,ほっとして寮まで歩いて行ったんだ。



・・・・


 寮に着いたらもう夕飯の時間だった。私は慌てて食堂に向かったよ。

「どうしたの?」

 席に着くなり聞かれたんだけど,

「私も何がなんだか良く分かんないの。」

って答えるしかないよね。

「ユウミ。その腕にはまってるのは何?」

あ。そうか。これはみんなにも見えるんだ。

「これは私の杖だよ。」

ざわっ・・・え?

まさか・・・え・・・あの子が?・・・


「ん・・・そうか。」

 どうしたの?二人とも変な顔して?

「いや。ちょっと嫉妬かな。」

「うん。悔しいかな・・・」

「え?」

「ユウミが何にも知らないって,分かってるのにね。ごめん。」


 食事はなんだか味気なかった。みんなの目が私を見ている。何であんな子がって思ってるのが分かる。すっごくいやな感じ。

 これを克服するには・・・とにかく明日からのツィーゲン学長先生とズィーゲ先生からの特訓にかかってるんだね。私は応えていかなきゃいけないんだ・・・とのかくがんばろう。がんばって,みんなに分かって貰わなくちゃ。



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