16 水晶
3時間目は半ば終わっていた・・・こんな中,入るのは凄く勇気がいるよね・・・
失礼します・・・うわっ・・・・一斉に目が集まったよ。
・・・・・
お昼になって,いつものように食堂へ移動する。今日はエレも一緒だよ。
「どうしたの?」
フローが心配そうに聞いてくる。
「呼ばれて何を言われたの?」
エレも聞いてくる。
「え・・・と・・・」
「夜遅くまで起きてたんでしょ?」
タップ。
「うん。」
「バーサ先生はね,鋭いからね。他の先生なら大丈夫でも,すぐばれちゃうんだよ。」
フローが教えてくれた。
あの目こっちを見透かすような目。でも綺麗だった・・・
・・・・・
午後は魔法実習だ。今日はみんなと一緒に実習出来るのかな・・・
「ユウミさん,いらっしゃい。」
また助手のモル先生に呼ばれた。私,この授業の先生の顔をまだ見たことないんだけど・・・いいのかなあ・・
「杖が出来たんですか?」
「まだですよ。でも,さっきバーサ先生から連絡がありましたのでね。」
助手室?の中に入ると,大きな水晶が置いてあったよ。球じゃないよ。結晶のままの奴・・・
座って・・・即されるままに座ったけど・・・この水晶は何?
「見て。」
「・・・はい?」
「しばらくそうしてらっしゃい。」
は?放置ですか?モル先生は教室に戻ってった。
仕方なしに水晶を見る・・・見るんだけど・・・何のために見てるのかさっぱり分からない・・・そのうちに眠くなってきた・・・やばい・・・寝ちゃ駄目・・・寝ちゃ・・・
・・・・・・
あれ?誰かこっちにむかって来るよ。
誰だろう?
まって・・・
?待ってって?何言ってるの?来てるのはあなたでしょ?
あなただれ?
あなたこそ誰?
ここはどこ?
ヴーハイト山
あなたはもいちゃん?
違う・・・三代目ヴーハイト・・・もうじき山が爆発する・・・
え?大変
生け贄が必要
何ですって?生け贄?
ははははは・・・・・おまえだ。おまえが生け贄だ
やめて!!!放して!!!
「ユウミさん,ユウミさん,」
うわっ揺すられてはっと気が付く・・・眠ってたんだ。私。
「モル先生」
起こしてくれたのはモル先生だった。ふう・・・
「何か見えましたか?うなされていたみたいですが・・」
私ははっとして立ち上がった。
「大変です。ヴーハイト山が爆発するって。生け贄が必要だって!!!」
慌てて走り出そうとしている私に,モル先生はまあまあ・・・と言いながら制止してくれたよ。
それから,私の側に椅子を持ってきて座った。
「落ち着いて,座って。」
これが落ち着いていられますか!!!
「大丈夫ですよ。ヴーハイト山が噴火したのは300年も前のことですから。」
モル先生の言葉に驚いちゃう。
「でもでも・・・三代目のヴーハイトだと言う人が・・」
言いつのろうとしたら,
「今のヴーハイト様は13代目ですよ。」
って言うんだ
「じゃあ・・・・・私が見たのは何ですか?」
ここははっきりさせなくちゃ不安だよ。
「水晶が記憶を放出したんでしょうかねえ・・。」
と言って立ち上がり,ぶつぶつ言いながら水晶を触ってるんだけど。
・珍しいな。これは余分な魔力を押さえ,気持ちをリラックスさせる効果があるんですが ・・記憶の放出があるとは。早速学長に言って分析して貰わなければ・・・
そうつぶやいて部屋から出て行こうとするんだよ。
「ちょっと待ってください。私はどうすればいいんですか?」
ここで呼び止めなきゃまだここにいなくちゃならないんじゃないの?
「ああ。ここにいてください。」
「ええ?」
・・・・・・
私はまた独り水晶の前に残されちゃった。何か不気味な気がするんだけど・・やだなあ。
ばたん・・いきなり反対側のドアが開いた・・・え?




