ほたる舞う城 登場人物紹介
本作の主人公は潮田出羽守資忠と言いまして私の住む、さいたま市の武将です。もっとも知名度は低いので市内の人でも知っている人はそんなに多くはないと思います。この戦国時代小説を書くにあたり、『誰も主人公に、いやチョイ役にすらしなかった武将を書いてみたい!』と決めて、色々と模索してみましたが行きついたのは地元武将でした。資料の数はとにかく少なくて大変でしたが、それゆえ自由度も高いので楽しく書けました。この作品を通して、マイナー武将である潮田資忠が世に知れたらなと、願いながら連載していきます。
登場人物紹介
潮田資忠
本編の主人公 幼名梅千代、通称源七郎、官位は従五位下出羽守、太田資正の四男として生まれる。初代寿能城主で太田道灌の玄孫にあたり、生母は潮田常陸介の妹の紅花姫。正室も母と同じく潮田氏。性格は温厚で家族思い、娘の能姫を溺愛する子煩悩な人物である。
太田資正
資忠の父、岩付城主、別名は三楽斎入道道誉、官位は従五位下美濃守、正五位下民部大輔、太田道灌の曾孫にあたり日本で初めて伝書犬の実用性を見出した人物。正室は松山城風流合戦で有名な難波田善銀の娘の南畑姫。合戦上手で知られ、民政も巧みな名将である。
太田氏資
太田資正の嫡男、資忠の長兄、通称は源五郎、官位は正五位上大膳太夫、妻は北条氏康の娘である英姫。娘が一人いて名は七里(史実では小少将)、初名は資房で、物語冒頭部分の段階では本来資房を名乗っているが、氏資で統一する。
北沢宮内
名は直信、通称甚之丞、太田家に代々仕えた武家の出で、資正の下命により四男資忠の付家老となる。資正と共に多くの戦場を経験した古強者で、若い資忠の良き補佐役となる。彼の十三代目の子孫が漫画の祖と言われる北沢楽天である。
加藤大学
北沢宮内と同じく、太田家に代々仕えた武家の出で、資正の下命により四男資忠の家老となる。内政巧者であり、寿能を拝領した資忠の手足となって民政に携わる。
太田政景 … 資正の次男、通称源太、後の梶原美濃守政景
太田資武 … 資正の三男、通称源六郎、官位は安房守
潮田常陸介… 太田資正に仕える在地領主、資忠の舅
平柳蔵人
名は忠教、太田資正に仕える侍大将、武州元郷(川口市)を領有しており、資正の信頼も厚い人物で、領地では徳政をしいた人物。史実の年齢では物語冒頭当時は七十近い老将ですが、本作では少し若く描写いたします。
沙代姫
潮田氏の娘、潮田資忠の正室、資忠とは義理の従兄妹でもある。おせじにも美女とは言えないそうだが、とても気のつく優しい娘で資忠に愛された。資忠が生涯側室を娶らなかったほどである。
南畑姫
松山城風流合戦で名高い難波田善銀の娘、太田資正の正室で氏資の生母。父の善銀を誇りに思い、そして父同様に名将である夫資正を心より慕う。
紅花姫
潮田常陸介の妹、資正の側室で資忠生母。笛の名手で資正に見初められたのも笛が縁である。その腕前は孫娘に継承される。
能姫
潮田資忠の娘、竜神の花嫁と呼ばれる絶世の美少女で資忠が目に入れても痛くないと溺愛する娘。心優しく、見沼の蛍を愛でて歌うのが何より好きな少女。祖母より笛を習い、ひとたび笛を吹くと、蛍が姫を包んで飛びまわるほどであった。