スタートガイドのミミ
「こんにちは~☆スタートガイドをさせていただくミミです。よろしくお願いします!ここからはヘッドセットまたは、マイクとスピーカーをご用意ください☆」
*当ゲームは音声認識により、NPCもとい、ノンプレイヤーキャラクターとの会話が必要です。また、チャット機能は無く、ボイスチャットによる進行となりますので、お持ちでない方にはご用意いただく必要がございます。
ミミという名の妖精の姿を模したキャラクターとシステムメッセージが現れた。このゲームはマイクを必要とするのだ。幸いにもヘッドセットを持っていた私はそのままゲームを開始することが出来た。
「では☆質問を開始します。」
「質問その1☆準備はいいですか?」
「はい」
「目の前に、簡単に100万円を手に入れるチャンスが転がっていたとします。しかし、その100万円を手に入れるにはあなたは悪事に手を染めなければなりません。内容は明かしませんが、それは犯罪にはならない小さな小さな悪事です。あなたは悪事に手を染めて100万円を手にしちゃうゲス野郎ですか?それとも100万円をみすみす見逃してしまうお馬鹿さんですか?」
明らかな好機であるのに、どちらを選択しても私が損をした気分にさせるような言い方だ。100万円は捨てがたいが、私は後ろめたい行為が嫌いだ。現実に100万円を目の当たりにしているならば悪事に手を染めない自信は無いが、この質問においては100万円を見逃した。
「私は100万円をみすみす見逃すお馬鹿・・いや、私は100万円を見逃します。」
「はい、あなたは100万円をみすみす見逃すお馬鹿さんなのですね☆」
釣られたのは私だったが、何だか不服だった。
「質問その2☆バナナは好きですか?」
「嫌いではないです」
「質問その3☆あなたは本当に男性?」
「はい、男です」
「質問その4☆しっかり考えてくださいね」
「あなたの大嫌いな人が飛び降り自殺をしようとしています。それを偶然発見したあなた。彼を止めますか?それとも止めませんか?」
「止めたくないけど止めます」
「質問その5☆好きな色は?」
「黒です」
「質問その6☆彼女居ない歴は?」
「18年間です」
「え・・・?」
「だから18年間です」
この質問はプライバシーの侵害にあたると思ったのだが、
いかがなものだろうか。質問は続いた。
その後、十数個の質問を経て、ミミとのやり取りは終わった。ミミが可愛いから何とかやり過ごせるものの、厳しい内容の多いやり取りであった。そして表示されたシステムメッセージ。
《あなたのジョブが決定しました!》
あなたのジョブは・・・
『救世主』です。
これが私の始まりだった。