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斎藤ショウタによる独白

私は平凡な人生を送ってきた。などと自らを認識しているのは、周囲の人間から普通だと評価され続けてきたことに所以する。


漫画のように、過去の通知表の評定が総じてALL3などという数奇な人生を送ってきたわけではない。2を取ることもあれば、稀ではあったが5を取ることだってあった。


不思議なことに世の中には、右へ倣えを良しとする人間が居るらしく、そういう人間は「普通でいいんだ」と口癖のように呟く。


しかしどうしてか、そういった人間が私に浴びせる視線は蔑視以外の何物でも無かった。建前と本音?普通の私こそ彼らの理想像ではないのか。


そんな私は普通であることにほとほと嫌気がさしていた。人より少しだけでいい。


「特別な存在」でありたかったのだ。


ほんの少しでいいから、

抜きんでた存在でありたかったのだ。


私を私たらしめる何かが欲しかったのかもしれない。ただ普通であることに一抹の不安を感じていたとも言える。



あれはいつも通りに学校から帰宅して、パソコンに向かい、特に関心のあるわけでもないニュースをぼうっと眺めていた時のことだった。


ふと目についた広告がきっかけだった。そのサイトに広告が無ければ私は今まで通りの普通の人生を送っていたのだろう。




『MinorityOnline』

この世界では力を持たぬ者は淘汰される。

純粋な力、財力、人望、知能、何でも良い。

手にせよ、力を―――




所謂MMORPGの広告。ありきたりなものだったが、不思議と妙に私の心をくすぐった。私は本当に力無き者なのだろうか。平凡な者なのだろうか。


それを問いただしたかった。答えが欲しかった。この世界でなら私は生まれ変わることが出来るかもしれない。力を証明することが出来るかもしれない。


そんな思いから私はMinorityOnlineを始めた。


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