気付いた気持ち
今回、新しく『お姉ちゃん』がでてきます。妹思いの、優しく厳しいお姉ちゃんです!
「ただいまー」
家につくと、私は自分の部屋ではなく、お姉ちゃんの部屋に向かった。
「お姉ちゃん。相談したい事があるんだけど…今大丈夫?」
すると、お姉ちゃんは、パック中で怖い顔をしていたけど、にっこり笑って私の相談にのってくれた。
私は、全てをお姉ちゃんに打ち明けた。
最初は、苦手な人だと思ってた事。
だんだん、頭の中が先輩でいっぱいになっていた事。
先輩の一言で傷ついたり、舞い上がったりする事。
全て。何もかも全部話した。
一通りの事を聞いたお姉ちゃんは、確信したように頷き、私にビシッと指摘した。
「あんた。それは、『恋』に決まってんじゃん!」
ドキッ
『やっぱり、そうなんだ…』
お姉ちゃんにビシッと指摘され、私は「そっか…」としか言えなかった。
「…………お姉ちゃん。この想いって、友情に変えられないの?」
すると、パックをはずしながら答えた。
「無理だね。」
「…そっ…か…。じゃあ、嫌いにならないと!」
「は?あんた、何言ってんの⁈嫌いになるって、バカじゃないの⁈」
お姉ちゃんの口調が荒くなった。
「だって…勉強に支障が出るから…」
すると、お姉ちゃんは立ち上がり怒鳴るように言った。
「大人になってから恋なんてできないの!今じゃなきゃできない恋だってあるんだよ⁈あんたはいっつも『勉強勉強』って言ってて恋なんてしてなかったじゃん!勉強ばっかしてて後悔したことはなかったの?今の恋が初恋なんじゃないの⁈だったらこの恋はちゃんと大切にしていかなきゃいけないんじゃないの⁈」
こんなに感情的になったお姉ちゃん見るのは、生まれて初めてであった。でも…
「でも…おじいちゃんは.…恋愛をして人生が狂ったって言ってたじゃん…」
お姉ちゃんは、静かにため息をついて座り、私の肩に手をかけてこう言った。
「あんたとおじいちゃんは違う人間。おじいちゃんはそれで失敗したのなら、あんたは失敗しないように気をつけて勉強も一緒にすればいいんじゃないの?…時代も違うんだし、そろそろ勉強以外のことにも目を向けたらどう?」
お姉ちゃんの言ったことは正しかった。友達が居ない事も、恋をした事がないのも、後悔した事はあった。
「……ありがとう!お姉ちゃん!私、自分の気持ちわかったよ!」
私は決心した。
明日。先輩に告白しよう。